■ 第17話「ライバル」

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● アバン

・第1幕

ナラクーダ。漆黒の闇に覆われた無風無波の不気味な海が映る。
カメラ、今回は珍しく、この虚無の海のがわから、遠方に幽かに影が見えているナラクーダ号へ、徐々にズームインして行く。
やがて、ナラクーダ号が霧の中からはっきりした輪郭を現す。
倒れかかったマスト、欠けた船首、破れた帆、割れた窓が順次映し出される。
船底近くには横一列にいくつもの穴が開いており(イモムシの気孔にも見える)、それぞれの穴から外に出た櫂(オール)が、整然と動き続け、船を一定速度で進めている。
そのギイギイという軋みだけが、現在のナラクーダに響く音である。
やがて、カメラは、いつもの甲板上へと上昇。
甲板上には、ひとりキャプテン・ニヒルーザが立ち、無表情で、悠然と洋上を見晴るかしている。
ところが、数瞬後、船の速度が落ち、ギギギッという軋む音とともに、ついに止まってしまう。
ニヒルーザ、これに気づき、独り言のように呟く。
ニヒルーザ「む? 船が止まった・・・?」

● OP

ミ〜ルキーウェ〜〜〜〜〜イ!!
プリッキュア、プリッキュアァ♪
プーリキュッアッ、プーリキュッアッ、
プーリキュッアッ、プーリキュッアッ!
プ〜リティーでえ、
キュ〜アキュッアァ、
ふ〜たりッはあッ〜
プリッキュアアアアア!!
二度あるこーとは、三度〜目もー、ぶっちゃけありえるう!
セーラーふーくのふたーりーは〜むちゃくちゃなかよしぃ
お互い〜じーかーんを〜 飛び越えるーたびぃ
キラリィ、かがやァ、くよねえええ〜〜、ウイ!
Your Pace, My Pace 進んでーるから つまづいたってIN じゃない?
災い転じて福とな〜すでしょ トラブルだってットラベル!
と〜きーのー流れ〜 泳いでおーもい切り〜
もっとグングンッ!
プーリキュッアッ、プーリキュッアッ、
プーリキュッアッ、プーリキュッアッ!
プ〜リティーでえ、
キュ〜アキュッアァ、
ふ〜たりはッ〜
プリッキュアアアアア!!
プリッキュア、プリッキュアァ♪♪
ミ〜ルキーウェ〜〜〜〜〜イ!!

● CM

逆時計!
これであなたも時間を自由自在に操れる!
ニヒルーザ「者ども! 我輩に続け!」
キャプテン・ニヒルーザなりきりグッズ・逆時計!
ニヒルーザ「ぐふふふ」(←ニヒルーザの笑い声)

● Aパート

・第2幕

第1幕の続き。ナラクーダ号船長室。
ニヒルーザ、ガタと破落戸(文字通りの)を開け、その船長室に入って来る。
そして、伝声管に口をつけて、船員たちに、
ニヒルーザ「どうしたッ? 船が止まっておるぞっ」
櫂を握る船員たちを指揮する船員のリーダーのひとりが伝声管に出て、
リーダー船員「申し訳ありませんムカツキー。船員たちが疲れてしまいましてムカツキー」
ニヒルーザ「なに? 疲れただあ?」
リーダー船員「はいでありますムカツキー。なにしろナラクーダには朝も昼も夜もないので、ヤツラは今まで休む暇なく船を漕いで来ましたムカツキー」
ニヒルーザ「ふぬ」
リーダー船員「この先も休めるときがいつ来るのかもわからないままずっと漕ぎ続けることを思うと、櫂を持つ手に力が入らなくなるようですムカツキー」
ニヒルーザ、ちょっと顔をしかめて、
ニヒルーザ「ええい、いっちょまえに先のことを悩みおってからに。時の変化なきナラクーダで、この先休めるときがいつ来るかなどと問うこと自体が無意味だ」
リーダー船員「は、はあ・・・」
ニヒルーザ「いいか。お前らの任務は、このナラクーダ号をずっと変化なく無事に進ませることにある。それだけを考えていろ」
リーダー船員「し、しかし、たまには船員たちにも多少なにか刺激を与えないと・・・」
ニヒルーザ「刺激? チッ! そうだな・・・最も懸命に漕いだ者には、幹部候補の道を与えてやろう。幹部になれば、櫂を握らなくてもすむ。連中にそう伝えろ」
リーダー船員「はっ!」
しばらくすると、ナラクーダ号が動き出す。
ニヒルーザ、ニヤリと笑んで、
ニヒルーザ「ふ。ちょろいものよ・・・」

ところが、すぐに船が横揺れして、またギギッと軋む音をさせながら旋回し始めた。
ニヒルーザ、よろめきながら、再び伝声管にて、
ニヒルーザ「ええい、なにをしとるかっ!」
リーダーの声「は、すみませんムカツキー。今まで仲良くやっていた者達が、先を争うように漕ぎ出しましてムカツキー・・・」
ニヒルーザ「速く漕げばいいというものではないわ。過ぎた速さもまた時の変化の一つ。変らぬ速度で進み続けるようにしろっ!」
リーダー「はいムカツキー」
ニヒルーザ「でえい」
ニヒルーザが苛立った顔で伝声管から口を離すと、そのとたん、背後に立って、口を開く者が。
声「ふふ。時の変化を拒むナラクーダ号が、つねに動いていないといけないとは、なんとも皮肉なことですな」
ニヒルーザ、ちょっとドキッとして、後ろを振り返る。
ニヒルーザ「ォ! うう。キャントビー、貴様、いつのまに・・・」
キャントビー「言ったではありませぬか。私には、いつのまになどという時のしばりはありえぬあ〜い、と」
ニヒルーザ、キャントビーの変なリアクションにたじろぎつつ、
ニヒルーザ「う、うう。そうだったな・・・それで・・・ナラクーダ号がつねに動いていないといけないのは皮肉だあ?」
キャントビー「違いますかな?」
ニヒルーザ「ナラクーダ号は、止まってしまうと直ちに朽ち果て始め、沈没の危険に瀕するのだ」
キャントビー「奇妙な船ですな」
ニヒルーザ「(アバンで映し出されたナラクーダ号の壊れかかった甲板、破れた帆、割れた窓などが、順次再映されつつ)虚無の海に進水して以来つねに進み続けているナラクーダ号にとって、止まるとは、変化を受け入れることだ。もともと朽ちた船体だっただけに、時の変化を受け入れたとたんに、壊れ出し、沈没の危険に曝される。ナラクーダ号が時の変化を受けぬためには、ひたすら同じ速度で進み続けるしかないのだ」
キャントビー「なるほど。時の変化を拒み続けるというのも、たんへんな労力が必要なんですな。或る意味で、時の変化を受け入れたほうが楽なのかも・・・」
ニヒルーザ、にらみをきかせ、
ニヒルーザ「キャントビー、きさまはどっちの味方なんだ?」
キャントビー、少し呼吸を置いて、
キャントビー「・・・もちろん、、、ここなるナラクーダ」
ニヒルーザ、依然不信感に満ちた顔と声で、疑うように、
ニヒルーザ「ふん。しかし、お前はもともとはナラクーダの者ではない。虚無にも永遠の時にも属さぬ、かりそめの庭の住人であった。どこまで信用してよいものやら・・・」
キャントビー「かりそめの庭の住人は、もともとどちらの味方もせぬ中立的な存在。しかし、私だけはキャプテン・ニヒルーザのお考えに賛同し、協力を申し出たのではありませんでしたかな」
ニヒルーザ「どんなもんだか・・・」
キャントビー、ニヒルーザに疑われていることに全く気まずさを覚える風でもなく、依然として坦々と、
キャントビー「ほれ、このとおり」
キャントビー、そう言うと、アイパッチをちょっと引っ張って、手放す。顔に当たって「パチン」と音がする。
どうやら、アイパッチをつけることが、ナラクーダ者であることの証拠であり、キャプテン・ニヒルーザへの忠誠の意味でもあるようである。
ニヒルーザ、黙って見ている。キャントビーも、ニヒルーザを凝視し続ける。
ニヒルーザ&キャントビー「n・・・・」
ついにキャントビーから沈黙を破る。
キャントビー「どうか信用してくださいますよう」
ニヒルーザ「ふん。まあよかろう。・・・それで、シスター・シーズンを引っ張り出す計画というのは、大丈夫なんだろうな」
キャントビー、全く表情を変えずに、一語。
キャントビー「大船に乗ったつもりで、お任せあれ」
ニヒルーザ、自信に満ち満ちたキャントビーに気圧されながら、躊躇いがちに、心中でボソリ、
ニヒルーザ<もう乗ってるんだけど・・・

● サブタイトル

第17話「ライバル」!(ひかゆとの読み上げ)

・第3幕

夜。ゆとりの部屋。
ゆとり、ベッドに仰向けに寝転んで、熊のウーさんのぬいぐるみを両手で天井へ突き上げるようにして、微笑みながら眺めている。

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