・ 目次 / 第16話「キャラクターショー」 (前のページ/次のページ) ・
場内アナウンスが流れる。
アナウンス「以上を持ちまして、第一部が終了いたしました。10分の休憩を挟みまして、後半の第二部に移ります」
奈緒、背伸びしながら快活な笑顔で、
奈緒「ああ〜、おもしろかったね〜」
ゆとりも釣られて背伸びしながら、
ゆとり「NNNN〜うん。やっぱり見に来てよかったね。あの子に感謝しなくっちゃ」
ゆとりのその発言に、「あの子」の回顧映像が随伴する。
美羽は期待感溢れる表情で、両手を握り締め合い、
美羽「後半はどんななぞなぞが出るんだろ? 今度はアタシも当てたいな。(ひかりのほうへ向いて)ひかりはわかっても、黙っててよ」
ひかり、微笑んで、
ひかり「ふふ。はい」
ところがそのとき、ひかりの懐でセインフが囁くようにひかりに呼びかけ始めた。
セインフ「ひかりっ。ひかりっ!」
ひかり、気づくと、椅子から立ち上がり、みんなに、
ひかり「ちょ、ちょっとさっきのお店に忘れものして来たのを思い出しちゃった。取りに行ってくるね」
ひかり、会場を出て、人のいない木陰でセインフを取り出し、
ひかり「セインフ、どうしたの? あんなに人がたくさんいるところで」
セインフ「ごめんセイン。でも、あそこにはナラクーダに似た危険なものを感じがしたんだセイン」
ひかり、驚いて、
ひかり「えっ!?まさか、あそこに?」
すると、向こうから、ゆとりもスワンフを持って駆けて来た。
ゆとり「ひかりぃ〜!」
ひかり「あ、ゆとり、さん」
ゆとり「ハァハァ。スワンフが、ハァハァ、ナラクーダに似た危ない気配を感じるって言い出してね」
スワンフ「本当なのスワン。それも、今までとはまた違う相手なのスワン」
スワンフの怪しげな発言を聞いて、ひかゆとは不安そうに顔を見合わせる。
ひかり「と、とにかく、戻ってみましょ」
ゆとり「う、うん!」
ふたり、また会場まで駆けて行く。そのとき、背後でふたりの動向を窺っている者がいた。それは、さきほどの店のお手伝いの少女であった。今は不安そうな顔をしている。
キャラショー会場。
ざわついている。ひかゆとは、元の席に戻り、ゆとりが、奈緒に、
ゆとり「どうしたの?」
奈緒「それが、もう10分以上経ったのに、後半の第二部が始まらないんだよ」
そのとき、舞台に一人の怪人が現れる。
美羽、それを見て、
美羽「あっ、やっと出て来た」
奈緒、すぐ振り向いて、笑顔で、
奈緒「あ、ホントだ! (しかしすぐ不審顔に変わり)・・・でも、さっきの怪人とは違うね」
その怪人は、アバンに出て来たキャントビーそっくりである。キャントビーは、ナラクーダ特有のいでたち、三角帽にアイパッチ独眼なので、ひかゆとにも一目でナラクーダ者であると察せられる。
またひかゆとの懐のスワンフ・セインフが騒ぎ出し、囁くように、
セインフ「あいつだセイン!」
スワンフ「まずいのスワン!」
ひかゆと、再び席を立ち、外へ。
美羽、ポカンとした顔で、
美羽「あのふたり、また出て行ったよ。どうしたんだろ?」
奈緒「さあ。それより後半の第二部、違う怪人でますます楽しみジャンジャン!」
奈緒は、すっかりショーに夢中で、ひかゆとの不審な行動など気にならない様子だ。
ひかゆと、ショーの舞台裏に入って行く。
すると、そこには気を失った怪人役とQピンクとQグリーンの着ぐるみが横たわっていた。
ひかり、頗る訝って、
ひかり「ど、どういうこと?」
ゆとりは、Qグリーンの着ぐるみを抱き起こして揺さぶり、
ゆとり「しっかりして! どうしたのっ!?」
スワンフがゆとりの懐からから、
スワンフ「あいつの仕業に違いないのスワン」
セインフ「とにかく、すぐ変身するセイン!」
セインフにそう言われて、ひかゆとは一瞬黙って見つめ合い、
ひかゆと「・・・うん!」
と頷き合うと、その場で変身バンクに入る。
ひかり&ゆとり「ツーショット・ハーモニック・レイディエーショオオオン!!」
* お互いのコミューンをお互いに向けて或るボタンを押す(ツーショット)。
すると、互いのコミューンから光線が放射され(レイディエーション)、ひかりの光線はゆとりに光の輝きのパワーを、ゆとりの光線はひかりに光の速さのパワーを互いに送り、それぞれに不足するパワー素を補い合い、「ふたりはプリキュア」へと、互いに互いを高め合う(ハーモニック)のである。
ルミナス、シャイニールミナス風に両手を広げ、髪の毛をたなびかせながら、
キュアルミナス「とわに煌めく光輝の使者・キュアルミナスッ!」
ラピッド、ホワイトのバンダナをたなびかせ、胸の前に両腕を交叉させ、両こぶしグーで、ボクシングのガードのようなポーズを取り、
キュアラピッド「とわに駆け巡る光速の使者・キュアラピッドお!」
ふたりともそれぞれそのままのポーズで、並んで映し出され(ルミナスが右、ラピッドが左)、
ルミナス&ラピッド「ふたりはプリキュア!」
さらにラピッド、一回転して、胸のところでグッとしていた腕を突き出し、ビンと指差す(夏京の贋プリキュアの指の突き出し方参照)
ラピッド「時の流れを捻じ曲げるあなたッ!」
ルミナスは、シャイニールミナスのように広げていた両の手を、交叉させるように胸に柔らかく宛がい、うつむき加減になって両目を一瞬聖母のように閉じたあと、碧眼の瞳をカッと見開いて正面に向き直り、毅然とした落ち着きのある、しかし優しい声音で、
ルミナス「素直な心にお戻りなさい!」
ルミナス、目前に敵がいないところで決めポーズを取った後、敵のいる舞台へと向かおうとする。
すると、ラピッドが呼び止める。
ラピッド「ルミナス〜!」
ルミナス、振り向く。
ルミナス「え?」
ラピッドが、プリQレンジャーの着ぐるみから取ったと思われる二つの仮面を両手に持ち、にっこり笑って、
ラピッド「これこれッ!」
ルミナス、唖然顔で、
ルミナス「え・・・あ、あ」
しかし、ルミナスも、しっかり仮面をつけて舞台へ走り出て行ったのであった・・・。