・ 目次 / 第16話「キャラクターショー」 (前のページ/次のページ) ・
翌日の日曜日。遊園地。ENJELLAND。
すでにひかゆとなおみ〜うは入園して、さまざまな乗り物に乗って遊んでいる。
(楽しそうなBGMに乗って)
ティーカップに、ひかりと美羽、ゆとりと奈緒の組み合わせで分乗。
4人の笑顔と笑い声。
4人「あはは! あはは!」
救命具をつけて救命ボートのようないかだに乗り、激流を下るアトラクションには、組み合わせ変わって、ひかなお、ゆと美羽が分乗。
ひかりは、目をつぶって体を萎縮させ、奈緒は笑顔。奈緒、たまにひかりの頭をポンポン叩いている。
ひかり「きゃあああ〜!」
奈緒「きゃははは〜」
ゆと美羽組も、ゆとりが笑顔で水しぶきを顔に浴び、美羽は、恐怖に絶叫して、ツインが逆立っている。
美羽「いやあああああ!」
ゆとり「いえええ〜い!」
ゆとみ〜うの喚声(歓声)は、空高くこだまし、カメラは、それを引き伸ばすように、ENJELLAND上空へとアングルを上昇させる。
そこには、二点の物体が。
セインフとスワンフである。
セインフとスワンフは、空を飛んで、下界の遊園地を見渡していた。
セインフ「ときびとの庭のひとたちは、飛んで移動できないから、変な乗り物ばかり作って不便だセイン」
スワンフ「それは・・・あのひとたちが時の流れの中に生きてて、わたしたちとわびとの庭の民みたいに、時の流れを超えることが出来ないのと同じなのスワン。でも、いろんな乗り物に乗れる楽しみも味わえて、ちょっぴり羨ましいのスワン」
セインフ「ぼくたちにもミルキーウェイシップがあるセイン」
スワンフ「ミルキーウェイシップは、大きくてキレイで、ときびとの庭のどんな乗り物よりも速いけど・・・たまにはゆっくり走る乗り物の上でのんびりするのも楽しいと思うのスワン」
セインフ、スワンフのその言葉を聞いて、下界を見渡す。
セインフ「う〜ん・・・セイン」
やがてセインフは、眼下に回転木馬(メリーゴーランド)を発見。
セインフ、それを指差しながら、
セインフ「じゃあ、あれに乗ってみようセイン」
スワンフ、それを見下ろして、
スワンフ「わお〜、アンビリーバブルなのスワン〜ン! 素敵なのスワ〜ン!」
二匹、喜び勇んで急降下しながら、
セインフ「スワンフ〜、ゆとりの口癖が移って、すっかりときびとの庭の民セイン〜」
スワンフ「そういうセインフは、なにかひかりのクセが移ったりしないのスワン?」
セインフ、ちょっと苦笑いを浮かべて思案する。
セインフ「ん〜、ひかりのクセ、ひかりのクセ・・・セイン。あッこれセインッ!」
セインフ、そう叫んで何か思いつくと、自分の髪の毛を2、3本、指でつまみ上げてみせる。
スワンフ「なに、それ?・・・スワン?」
セインフ、笑って、
セインフ「朝のひかりの寝グセセイン。ひかり、いつも髪を三つ編みにまとめてるから、寝癖がすごいんだセイン」
スワンフ、意外な発見に興味津々の笑顔で、ちょっと驚く。
スワンフ「ええ〜、そうなのスワン? 意外なのスワン。でも、・・・お寝坊さんのセインフが、ひかりより早く起きて、ひかりの寝癖を見つけることのほうが、もっと意外だったりしてえ〜スワン(いやみったらしく)」
セインフ、嫌そうな顔になり、
セインフ「そんなあ〜セイン」
スワンフ、ニコニコして、
スワンフ「あ、やっぱり移ってるのスワン」
セインフ、訝しがって、
セインフ「ん?」
画面切り替わり、ENJELLAND内。
四乙女は、ゲームコーナーで、UFOキャッチャー(クレーンゲーム)に興じている。
ひかりが、熊のぬいぐるみを取りに行く。あとの3人は応援。
ゆとりは、両こぶしを握り締め、
ゆとり「ひかりっ、どうしても熊のウーさんほしいのッ! あたしのためにがんばってよねーッ!」
ひかりは、ゆとりにそうせかされ、プレッシャーからか、眉間に皺を寄せながら、
ひかり「んウーウーウー・・・」
マジックハンドが降りて行く。が、熊にはかすりもせず、大はずれ。ハンド、ガリガリと地面を引っかいた後、カチンッと虚しく宙をつかむ。
ひかりは、唖然。
ひかり「そんなあ・・・」
他の3人、呆れ顔。
3人「あ、あ・・」
上空。
第7幕のセインフ&スワンフの会話に戻って、
セインフ、不審顔で、スワンフに、
セインフ「なにがだセイン?」
スワンフ「うふ。な・ん・で・もスワン」
ひかりの口癖が移っていることに自覚のないセインフを見て、スワンフは、クスクス含み笑いを浮かべるのだった。
再びクレーンゲームのコーナー。
ゆとりが入れ替わって、挑戦。
ゆとりは、熊のウーさんのぬいぐるみを、うまくハンドでつかみ、徐々に落とし穴に近づける。
ゆとり「オーケー、オーケええ!」
なおみ〜う、おおはしゃぎ。
なおみ〜う「わあああ!」
しかし、なおみ〜うが騒ぎすぎたためか、穴のすぐ手前でポトッとすり落ちてしまう。
全員ガッカリ顔。
四乙女「ああ〜あ」
その直後、スタッフが来て、ぬいぐるみを穴の真横に調整してくれた。
スタッフ「これで大丈夫だよ」
ゆとり「あ、ありがとうございます・・・はは」
ゆとり、申し訳なさそうに照れ笑い。
ここからは美羽が挑戦。地面スレスレのところで開いたハンドがチョンと当たっただけで、ウーさんは穴に落ち、ようやくゲット。
なおみ〜う、大喜び。
なおみ〜う「やったああ!」
ゲットした熊のぬいぐるみを、美羽は、ゆとりにプレゼント。
美羽「はいっ! ゆとりっ!」
ゆとり「ええ? でも、取ったの美羽だしぃ・・・」
ゆとり、申し訳なさそうな躊躇い笑い。
美羽「あんなの取ったうちに入らないわよ。大部分、ゆとりが動かしたんだし。それに、熊のウーさんほしかったんでしょ?」
ゆとり、照れ笑いして、
ゆとり「う、うん、ありがと!」
ゆとり、そう言うと、今度は無邪気な笑顔でぬいぐるみを受け取って、可愛らしく両手で胸にしっかと抱いた。
ゆとり「へへ。可愛いっ」
ウーさんの頭をなでるゆとり。そのゆとりを微笑ましく眺めるなおみ〜う。
さらに、それらのやり取りを見ていたひかり、満足そうな微笑を浮かべる。
ひかり「ふふ」
ひかりのポシェットから顔を出したセインフが、そのまま翼を広げてパタパタ飛び出し、
ひかり、一瞬宙を見上げて驚いたあと、こちらへ振り向き、ニッコリ。