■ 第15話「午後のゆとり」

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第15幕

別の公園のベンチ(デラタコカフェ出店の公園)。
なおみ〜うが並んで座っている。ともに、膝の上にそれぞれの人形を抱え持っている。
ふたりはしばらく無言だったが、奈緒がついに口を開いた。
奈緒「これ、・・・いつ作ったっけ?」(手に持つ人形を見下ろしながら)
美羽、一瞬、奈緒の顔を<え?>というふうに見た後、やはり自分の膝上の人形を見下ろし、恐る恐る、
美羽「・・・確か、小学5年生のときじゃない?」
奈緒、ちょっと顔がほころんで、
奈緒「ああ、そうだったよね。あの頃わたしたち知り合ったばっかりでさ、よく喧嘩してたよね」
美羽も微笑んで、
美羽「そうそう。特にひどかったのが、えっちゃんの取り合い」
奈緒、思い出したように、
奈緒「ああっ!そうだよね。美羽がウチに遊びに来るたんびに、英知香が懐いちゃってさ。英知香ってすっごくシャイで、それまでわたしにばっかベッタリ甘えて来てたのに、なぜか美羽には近づこうとして来るんだよね。それでアタシ、やきもち焼いちゃって・・・」
美羽、笑って、
美羽「はは。わたしも、奈緒と遊びぶために来てるのか、えっちゃんと遊ぶために来てるのかわかんなくなることがあった」
奈緒「それで一度大喧嘩になって、わたしが、美羽に、もうウチに遊びに来ないでって言っちゃったんだよね」
美羽「うん・・・そしたら、えっちゃんが落ち込んで、わたしたちが仲直りするようにって、それで、このぬいぐるみを作ろうとしたんだっけ?」
奈緒「そう。美羽のもわたしのも二人分も。あの子、小さい頃から手先が器用だったから。・・・でも、さすがに小学4年じゃ、二人分のぬいぐるみはむずかしくてさあ」
美羽「だから、えっちゃんが途中まで作ってそのままになってたぬいぐるみを、わたしたち自身で、仕上げることにしたんだよね。奈緒はわたしのぬいぐるみを、わたしは奈緒のぬいぐるみを・・・」
奈緒、微笑んで、
奈緒「でも、わたしなんか、英知香みたいにアートのセンスないから、形を崩しただけだけどね」
美羽、笑んで、
美羽「そんなことない。このお人形、わたしの特徴、よく出てるしい」
奈緒「だってアタシ、美羽のこと、世界で一番よく知ってるって自信あるもん!」
美羽、奈緒を微笑んで見つめる。
美羽「fufu・・・!」

第16幕

若葉台公園でのバトルシーン。
画面が映るや、ルミナス、いきなり転倒する。
ルミナス「ヤアアアアア!」
ラピッド、後方を振り向いて、心配顔で、
ラピッド「ルミナス!(前方に向き直って、リバーサスに)ルミナスになんてことしてくれんのよ!ルミナスは、わたしと違って、すっごくデリケートなんだからねッ!」
ラピッド、そう叫びながら、リバーサスにラリアットをかましに行く。
ラピッド「タああああ!」
ラピッドラリアット、リバーサスの厚い胸板にグムと食い込む。
リバーサス「グウウ!!」
ラピッド「イェアアア!」
ラピッドは、そう叫んで、足腰をさらに踏ん張らせ、リバーサスの胸に深く食い込んだ腕を、一層深くのめりこませる。
圧力に耐えられず、リバーサス吹っ飛び、後方へ倒れ込む。
リバーサス「グアアアア!」

第17幕

公園ベンチ。
なおみ〜うの会話続く。

美羽「よく考えたら、あの頃、わたしたち、間にえっちゃんがいたから、喧嘩もよくしたけど、えっちゃんがいたおかげで、こんなに仲良くなれたのかもしれないねー」
奈緒、落ち着きある笑みを湛え、
奈緒「そうとも言えるかもねー。だから、わたし、さっきゆとりに、ひかりと英知香がダブって見えることがあるって話(はなし)してたの」
美羽、笑顔で、
美羽「なんかわかる気がする。わたしたち、ひかりと一緒に遊ぶようになってさ、前よりもっと近くなった気、しない?みんな集まってひかりのお店でお話したり、部活で一緒にいろんなことしたり、いろんなとこ行ったり」
奈緒「だよね〜」
奈緒、一瞬考えた後、
奈緒「・・・今だって、ひかりのことで喧嘩しちゃったけど、そのお陰で、昔のこと思い出せたし、こんな大切なものにまた会えたし」(奈緒人形を両手で顔の前に持ち上げながら)
ここで美羽、少し沈黙して考えて、
美羽「・・・な〜お」
奈緒「え?」
美羽「・・・ゴメンね。わたし、ヘンなやきもち焼いちゃって・・・」
奈緒「え・・・ううん、それはお互い様だよ。ふたりともそれだけひかりが好きなんだよ」

第18幕

バトルシーン。
リバーサスに吹っ飛ばされ、倒れ伏していたルミナスの全身アップ。
ところがこの瞬間、ルミナスの体の周辺が俄かにシャンシャンと光り輝き出し、メラメラとした後光に包まれたようになるのだった。
すると、ルミナスの体中の傷が癒えて行く。
ルミナス自身も自分の体に起きたその異変を感じ取り、体を左右に見回しながら、
ルミナス「こ・・これは・・・」

第19幕

公園ベンチ。なおみ〜う並んで座っている。
美羽「ひかりって不思議だよね」
奈緒、笑顔で美羽を見ながら、
奈緒「ふたりで、、、ひかりに謝ろ!」
美羽「うん!そうしよ。でも、ひかり、どこ行ったのかな?」
奈緒「たぶん・・・、あそこ・・・だと思う」
美羽「あそこ・・・?」
美羽は、不思議そうな顔で、奈緒を見つめ続ける。

第20幕

バトルシーン。
ラピッドにラリアットをお見舞いされ、瓦礫の下敷きになっていたリバーサスが、起き上がり、猛スピードで突進反撃。
リバーサス「ヌオオオオオオーッ!」
リバーサスとラピッド、肘と肘をガツンッ!!とクロスにぶつけ合う。
ラピッド「痛(イ)っつう〜・・・!」
ラピッド、苦痛に顔を歪める。 リバーサス「ヌウウウ!!」
それは、リバーサスも同じである。
だがどうやら、遠方から勢いをつけて来たリバーサスのほうが押し気味。
リバーサス、そのままスピーディーな連続パンチを両手から繰り出す。
リバーサス「ハア!ハア!ダァ!ガァ!」
ラピッド「うっ!うっ!ううっ!」
ラピッドは、両腕をクロスにガードして攻撃を防ぐが、ゴンゴンとバックに押し込まれ、見るからに劣勢。
懐のスワンフも心配そうに、
スワンフ「ああ!ラピッド!独りじゃ不利なのスワン。こんなときにルミナスが・・・スワン」
ついにリバーサス、右手を思い切り後ろへ引いて勢いをつけ、
リバーサス「これで決まりだッ!食らええええーッ!」
そう絶叫して、全力パンチをラピッドのクロスにガードした腕の中心部に撃ち込んで来た。
ラピッド、自分の力をはるかに上回る強力パンチが迫って来ることを鋭く感じ取り、歯を食いしばって、両目を瞑る。
ラピッド「んん・・!」
そのとき、リバーサスのハンマーこぶしを、ラピッドの腕の直前でパシッと受け止める両手の平が!
リバーサス「なッ・んッ・だッ・とッ・・・!?」
目を瞑って固まっていたラピッド、覚悟していた殺人パンチが、いつまで経っても我が身に当たって来ないことに気付き、ゆっくりと目を見開いてみる。
ラピッド「あれ・・・?」
すると、目の前には、ラピッドの左横から伸びた両手の平が、リバーサスのでかくごついこぶしを握っている意外な光景があった。
さらに、ラピッドが、目の前の両手の平をつたって左隣へ視線を徐々に移動させると、そこには、必死の形相で、リバーサスのこぶしを押さえつけているルミナスがいた!
ラピッド「ル、ルミナスッ!」
ルミナスは、必死の形相の中にも、笑みを浮かべる。
ルミナス「う・・・ふ・・・!
それは、ラピッドに対する<大丈夫>の意思表示であった。
ラピッド「ルミナス、どうして急に!?」
ルミナス、全身を微震させ、リバーサスパンチの圧力に耐えながら、
ルミナス「わ、わかりません・・・でも、なんだか急に力が戻って来て・・・」
ラピッド、それを聞くと、徐々に顔に笑みが戻る。
ラピッド「ふふ」
そして、
ラピッド「ヤアアアアアッ!」
奮起したラピッド、気合を込めてそう叫ぶと、姿勢を低くして、ルミナスの両手の平の下をかい潜るように突進し、素早くリバーサスの背後に回り込むや、腰をつかんで、バックブリーカー。そのまま背後へ仏壇投げのように投げ飛ばす。
リバーサス「ヌアアアアァ!」
リバーサスは、ズザザザッと砂煙を巻き上げながら、倒れた体勢のまま、地面を激しく滑って行った。
それを確認したルミナスとラピッド、「ウン!」と頷いて、手を握り合う。
ルミナス「光る時、かける(×)
ラピッド「走る時イコール(=)
ルミナス&ラピッド「プリキュア・アストラル・トルネードオオオ!
超音波のような渦巻状の閃光がルミナス&ラピッドの全身から発せられ、原爆のようにゆっくりと広がって行く。
アストラル・トルネードは、時の流れの重みを原動力にしている。
時の流れに逆らうナラクーダの者たちには、最も効果的な斥力を持つ。
フラフラと立ち上がった土まみれのリバーサス、両腕を突き出してトルネードを防ごうとする。
リバーサス「ゥヌウウウゥゥ! なぜ!なぜ、過去の瓦礫と化しつつあったやつらの『友情』とやらの力が、今再びこんなに強くなって来たのだッ!?」
ルミナス&ラピッド「ハアアア!
トルネードの威力がさらに増す。
リバーサス「グワアアア!

第21幕

なおみ〜うが、それぞれ片手に人形を抱えて走っている。

やや後れて走る美羽、ハアハア喘ぎながら、
美羽「な〜お、ハァハァ、あそこってぇ・・・ハァハァ、どこォ?ハァハァ」
奈緒、こちらは体力的に余力のありそうな余裕顔で、
奈緒「あそこって、ハアハア、あそこったら、あそこだよお。ほら!見えて来た。ハアハア」
奈緒がそう言って前方を見ると、若葉台中央公園の森が視界に現れ出す。
そして奈緒は、疲れて後れ気味の美羽の手を<パシッ!>とつかんだ。
奈緒「み〜うっ!もうすぐだよっ!」
美羽、奈緒に腕を引っ張られ、一瞬、
美羽「あ〜あっ!」
っと前のめりになりそうになるが、バランスを立て直すと、走りながら、握られた手をジッと見て、嬉しそうに笑み、
美羽「うんっ!」
美羽も、奈緒の手をギュッと握り返す。

第22幕

ルミナスとラピッドの握り合う手がいきなりアップ。
それが、さらにちょうど今、ギュッと一層の力を込めて握られる。
L&R「ハアアアアア!
すると、パワーの倍増したトルネードが加わり、これが徐々にリバーサスを襲う。
リバーサス「クウウウ、お、重いっ!いつもとは様子が違うぞ。こんな時の重みは初めてだっ!ウワアアアア!まさか、この俺があああああーっ!?
リバーサスの体がとろけ出す。
リバーサス「あぁぁぁぁぁaaaaa・・・・・a・・a・」
ついに、リバーサスの影が薄くなり、消えて行ったのだった。。。

L&R[ハアハア、ハアハア・・・」
戦いを終えて、肩で息をするルミナスとラピッド。
スワンフ「やったのスワン!あの男も時の流れに戻って行ったのスワン!」
ただ、セインフは、少し不審げに、
セインフ「でも、おかしいセイン。シーズニーラピスが残されていないセイン」
スワンフ「あ、そういえば・・・スワン・・・」
すでに変身が解けたひかりとゆとりも、セインフとスワンフの話を聞いて、ちょっと心配そうに顔を見合わせた。
ひかゆと「e・・・?」

しかし、そのとき、向こうから、なおみ〜うの声が、
奈緒「ひかりいいい〜、やっぱりここにいたんだ〜!」
美羽「ハァハァ、ハァハァ、ひかり〜、やっと見つけた〜」
笑顔で手をつないで走って来たなおみ〜うを見て、すべてを察したひかりとゆとりには、もはや言葉はいらなかった。
微笑み合うひかゆと。
ゆと「ははっ」
ひか「ふふっ」

メモリアル
そして、4人で、上方を見上げる。そこには、あの3オン3で使われたバスケ用バックボードのリングがあった。
最後は、カメラが上空から、リングを映し、それを見上げ続ける四乙女を同時に映し出した。
四乙女は、それぞれ少し違った立場にありながら、等しく感慨深げに同じ一点、バックボードを見つめるのであった。

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