■ 第15話「午後のゆとり」

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・第6幕

再び多幡家。
ゆとりと奈緒は、外出するため玄関まで来ている。奈緒は、セーラー服の上着を着て、白の制帽もかぶっている。
やがて奈緒、廊下の向こうを見ながら、奥の部屋まで届く声で、
奈緒「えちかー!ちょっと出かけて来るねー!」
ゆとりは、そばでつぶやいた。
ゆとり「えちか・・・?」

すると、さきほどゆとりが会った奈緒の妹が出て来たのだった。
彼女は、黙って、ゆとりの前に進み、立つ。
ゆとり、何事だろうと思い、黙ってその妹を見つめ返したが、ふと、手にカメラを持っていることに気づいた。
ゆとり「ん?」
すると、その妹は、ためらいがちに、
奈緒・妹「あの・・・写真・・・」
ゆとり「え?」
奈緒・妹「写真一枚撮らせてもらえませんか・・・?」

ゆとりは、一瞬キョトンとしていたが、すぐにフレンドリーな笑顔で、
ゆとり「あ、うん、いいよ!」
横の奈緒は、意外そうな顔で妹とゆとりを交互に眺めていた。
奈緒「haa〜〜」

・第7幕

多幡家の門前。
そこで、ゆとりの写真撮影が執り行われる。
ゆとり、膝に手を置き、中腰でピースするようなギャルっぽいポーズを取りながら、
ゆとり「こんな感じ?」
しかし、奈緒・妹、苦笑いを浮かべ、
奈緒・妹「えっとお・・・ふつうにしててください・・・」
ゆとり「あ? ふつう? んじゃ、こお?」
ゆとり、両手を後ろ手に回し、ニッコリ。
奈緒・妹、恥ずかしそうに微笑んで、
奈緒・妹「はい。それでいいです」

カメラのシャッター音、パシャリッ。
奈緒・妹、ゆとりに近づき、赤面しながら、
奈緒・妹「んと・・・ありがとうございました・・・」
ゆとり、にっこり笑顔で、
ゆとり「どういたしましてー。写真現像したら見せてね。えっと、えちかちゃんだっけ?」
そこで、奈緒が口を挟む。
奈緒「そお。英知香(えちか)。みんなからは、えっちゃんって呼ばれたりしてる」
ゆとり「へえ・・・」
多幡英知香
ゆとり、英知香のほうへ向き直し、笑顔で、
ゆとり「じゃあ、えっちゃん。またねっ!」
英知香、赤面しつつニッコリ。
英知香「はいっ!」
そう言うと、英知香は、家の中へ駆け込むように入って行ってしまった。

英知香がドアをパタンと閉めた後、姉の奈緒が、ちょっと意外そうな声で、
奈緒「へえ〜。あの子が自分からひとに声をかけるなんて珍しいなあ」
ゆとり、キョトン顔で、
ゆとり「そうなんだ?」
奈緒「うん・・・。それに、あの子、自然の風景ばっかり撮って、人を撮ることなんて滅多にないのに」
ゆとり、笑顔で、
ゆとり「えっちゃん、写真が趣味なんだ?」
奈緒「うん、学校じゃ、写真部だよ」
ゆとり「写真部? 本格的なんだね」
奈緒「言ったでしょ。アート系のセンスがあるって」
ゆとり「ああ、そういえば・・・」
奈緒「それに、新聞記者だったお父さんの影響もあるのかな。・・・だけど、ホントに珍しいな。初対面の人は大抵怖がるのに・・・」
奈緒、もはや英知香のいない表玄関をじっと眺めながらそう言った後、ゆとりほうへ振り向き直して、ちょっと苦笑しつつ、
奈緒「ゆとり、よっぽどあの子に気に入られたんだよ」
ゆとり「ええ〜、わたしがあ〜?」
ゆとりも、面食らったような苦笑いを浮かべたのだった。

・第8幕

異世界間を矢のような速さで飛翔しながら、ときびとの庭へ向かう途中のリバーサス。
リバーサス、さきほどのニヒルーザとの会話を想起している。

ニヒルーザ「リバーサス・・・」
リバーサス「はっ!」
ニヒルーザ「もはや頼れるのはお前だけだ」

リバーサス<キャプテン・ニヒルーザも、ようやく俺の実力を認めたか。ムージョ如きに頼り出したときには、どうなることかと思ったが・・・>

さらに回想。
そして憤然と向き返り、リバーサスに逆時計を突きつけ、
ニヒルーザ「行け、リバーサス! そして必ずシスター・シーズンを始末しろ。ムージョとは一味違うところを見せてみろい!」

リバーサス<それにしても、ナラクーダから時の流れを一掃するあの逆時計の威力・・・>

ニヒルーザの突き出す逆時計が、ことさらにアップ。

リバーサス<あの逆時計さえあれば、この俺も・・・>
リバーサスは、ソコまで独白すると、言葉を切り、再び前を向いて、ときびとの庭へ急行する速度をグンと上げたのだった。

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