・ 目次 / 第14話「喧嘩」 (前のページ/次のページ) ・
そして、索具が体中にからんで、文字通り蜘蛛の糸に捕らえられた獲物のような身動き出来ない状態になる。
ムージョ「ン!?くっ!」
そのときちょうど下では、ラピッドが立ち上がる。
そこで、既にルミナスの懐に戻っていたセインフが、
セインフ「ふたりとも、今がチャンスセインンンッ−!」
ラピッドの懐のスワンフも、
スワンフ「プリキュア・アストラル・トルネード発進なのスワンッ〜!」
ルミナスとラピッド、「ウン!」と頷いて、手と手を差し出し合い、ギュッと力強く握り合う。
ルミナス「光る時、かけるー!(×)」
ラピッド「走る時イコオオオールッ(=)」
ルミナス&ラピッド「プリキュアアアア・アストラル・トルネードオオオ!!!!」
いつにも増して勢いのある超音波のような渦巻状の閃光が、ルミナス&ラピッドの全身からビリビリと発せられ、原爆のきのこ雲のようにゆっくりと、しかしずっしりした重みを感じさせながら四方へと広がって行く。
一度四散し、L&Rの周辺の足元でドライアイス状にモヤモヤと漂っていた閃光は、L&Rが、握り合った手を、人差し指を突き出しながら、そのまま天上へとバッと上げると、地面にドーンと付いてバウンドし、一気に上昇を始める。
そして、L&Rの周囲を円環状に上昇しながら、徐々に二人の頭上の一点へと収斂し、キラキラ煌く長大なトルネード(竜巻)へと凝縮する。
L&R、そこで、挙げていた腕を、手と手を握り合ったまま、バッともとの位置へ振り下ろす。
その、鉄槌を振り下ろすような腕の動きの勢いに合わせ、トルネードは、敵に向かって、加速度をつけながら前身を始めたのである。
これが、アストラル・トルネードである。
アストラル・トルネードは、時の流れの重みを原動力にしている。
時の流れに逆らうナラクーダの者たちには、最も効果的な斥力を持つ。
竜巻がムージョに近づく。
ムージョ「おおッ!」
ムージョはなんとか逃れようと藻掻くが、複雑に絡みついた索具からどうしても脱出できない(まるで、これらのロープには、意志があり、L&Rの援護をしているかのようでもある)。
ムージョ「くっ!うごけ・・・ない」
トルネードはすでにムージョを巻き込み出した。
ムージョ「ぅ・・・ウアアアアアアッ!」
そのとき、画面、急遽ナラクーダ船上に切り替わる。
甲板上に立っていたリバーサス、ハッとなる。
リバーサス「むっ!?」
次に、船室内。
まだトンカチで壁を叩いているニヒルーザが映るが、ニヒルーザ、トカトントンの手をピタッと止めると、次第に忌々しそうな表情に。
ニヒルーザ「ん!?・・・むむむ・・・ぐうッ!」
画面、ミルキーウェイシップに戻る。
プリキュアのふたり、さらに気合を込めて、手を握り合い、前方に突き出す。
L&R「ンンン!ハア!」
そして、それぞれの空いている手(ルミナスは右手、ラピッドは左手)を、前に突き出した手の甲にバッと添え、これで4つの手の平が重なり合ったのだった。
すると一層強くなった閃光がトルネードにドオオオン!と加わって、ムージョにさらなるプレッシャーをかけた。
ムージョ「オオオッ!ついにッ!・・・シスター・シーズンの・・・正体を暴いたのに・・・時はムジョウ!ム、無念・・・ですゎあああぁぁぁ!・・・」
そう呻きながらムージョは、ついに消えて行ったのであった。
それを見計らったルミナスとラピッドは、全身からスウッと力が抜けて行くように、前へ突き出していた両腕を下ろし、肩で息をしながら、しばし呆然としてムージョが消えた場所の一点を見つめていた。
L&R「ハァハァ・・・」
ほどなくムージョが消えたマストのあたりから、キラッと光る石が落ちて来た。
シーズニーラピスである。
ルミナスとラピッドの懐にいるセインフとスワンフは、喜びはしゃぐ。
スワンフ「勝ったのスワ〜ンッ!」
セインフ「ナラクーダの敵をとうとう仕留めたんだセインッ!」
しかし一方ルミナスは、不安顔で、
ルミナス「で、でも、セインフ、あのひとは・・・あのひとはどうなったの?」
ラピッド「えっ!?」
隣のラピッド、ルミナスのほうへ振り返る。消えた敵の顛末さえ心配するルミナスの底無しの優しさに、ラピッドは、流石に驚いたようだ。
ラピッド「ル、ルミナス・・・」
セインフ「あいつを完全に時の流れに戻してやることが出来たんだセイン!」
ルミナス「じゃあ、生きてるの?」
セインフ「それは僕にもわからないセイン。でも、誕生と滅びのある世界に戻ったんだから、そのどっちかを経験してるはずだセイン」
ルミナス「誕生か滅び・・・」
スワンフは、飛んでシーズニー・ラピスを取って来て、それをみんなに示しながら、無邪気に、
スワンフ「これでうずきヶ島にも行けるのスワン!」
ルミナス「うずきヶ島・・・」
ミルキーウェイシップ船室内。
ラピッド、生き物形態のセインフ、スワンフが見守る中、ルミナスが、タイムフルオルゴールの蓋をパカッと開け、ピンク色のシーズニーラピスを、おひつじ座の絵(アイコン)の穴に落とす。
タイムフルオルゴールのミュージックが流れ出す。それに合わせて時計がゆっくり回り、メロディーの終わりとともに、一周してまたおひつじ座のところでピタッと止まる。
すると、船室外で汽笛が鳴り、マストにバッと帆が張り巡らされ、船の端々の数珠つながりになったランプが光り、出発進行。
4人とも甲板上に戻る。セインフとスワンフは、光るトビウオなどを見ながら大ハシャギしている。
スワンフ「キレイなのスワ〜ン!」
セインフ「とわびとの庭にまた少し近づいて行くんだセイ〜ン!」
セインフのその言葉にハッとなったルミナス、ラピッドに向かって、神妙な顔で、
ルミナス「ねえ、ラピッド・・・あのひとが言ってたシスター・シーズンのことだけど・・・」
ラピッドも、聞かれるのを覚悟していたようなシリアスな顔になる。
ラピッド「うん・・・」