・ 目次 / 第14話「喧嘩」 (前のページ/次のページ) ・
なぎさ、笑顔で、
なぎさ「うん!」
ゆとり、次第に笑顔になり
ゆとり「ha・・・わあっ!アンン〜ビリーバブルッ!」
なぎさ「だって、3人で協力したじゃない。ゆとりは、国際郵便を出すとき、ほのかの住所を書いてくれたし、たこ焼き作りだって一緒にしたでしょ。全部ほのかに伝えてあるんだよ」
ここでなぎさは、一瞬、間(ま)を置き、プッと噴き出ながら、
なぎさ「ゆとりの顔の特徴もっ!」
ゆとり、莞爾と、
ゆとり「ええー?ホントですか?なぎささん、ありがとうございますっ!」
と言った後、ゆとり、急に怪訝そうに、
ゆとり「・・・でも、アタシの顔の特徴って・・・?」
と呟き、太い眉をピクつかせた。
が、ゆとりは、そんなことはさして気に留めず、すぐまたほのかの家族の写真を見て、
ゆとり「ほのかさんかあ。早くお会いしたいなあ。お部屋を使わせてもらってることのお礼も言いたいし」
ひかりは、莞爾と、なぎさに向いて、
ひかり「よかったですね、なぎささん。ほのかさんに想いが届いて」
なぎさ、申し訳なさそうな苦笑いを穏やかに浮かべ、
なぎさ「うん・・・でも、ほのかにとって、たこ焼きは意外だったみたい。最初ビックリしたって書いてた」
ひかり「えっ?じゃあ、ほのかさんのあの言葉は、何を・・・」
12話の該当シーン回想。
さなえさんから、ほのかがほしがっているものの話を聞いたゆとりが、デラタコカフェまで赴いて、なぎさとひかりとアカネさんに説明したところから。
なぎさ「ほのかは、『今すぐはっきりこれだ!とは言えないけど、日本にしかない懐かしいもの』って答えたんだ?」
ゆとり「そう。それから、こうも言ってたって。『なぎさと一緒に味わった思い出が一番懐かしいから、もしなぎさ自身が日本を離れたら懐かしく感じるはずものが、わたしにとっても懐かしいものだ』って」
なぎさ「うん・・・ゆとりがほのかのおばあちゃんから聞いた話は、わたしは知らないことになってるから、ほのかに直接には聞き返せないんだけど、でも、きっとほのかのことだから、わたしが考えるような単純なことじゃなくって、なんかもっとこう・・・(空を見上げて)そう、あの雲みたいに漠然とした何か・・・」
そのとき、なぎさの背後で、不意に、或る者が、
或る者の声(女)「ともに過ごして味わったもの?そこから離れてやっとそのよさがわかるもの?」
なぎさ、振り向きもせず、感慨深げに、
なぎさ「うん・・・」
声「簡単ですことよ。それは『一瞬一瞬の時』。このときびとの庭は所詮諸行無常の虚しい世界。楽しかったことは一瞬で過ぎ去り、終わってみてからそれに気付き、そして後悔する。お笑い種(ぐさ)ですわ。ほ〜ほほほ!」
なぎさ、ハッとなって、後ろを振り返りながら、
なぎさ「そうっ!きっとそれっ!・・・て(汗)」
なぎさの背後に立っていたのは、なんとムージョであった。
なぎさ「あ、ああ〜ッ!あんたはッ!!!」
ひかりとゆとり、警戒して椅子からガタッと立ち上がる。
ひかり&ゆとり「んっ!」
他方なぎさは椅子に腰掛けたまま、平然と、
なぎさ「しかし、敵ながらあんた、たまにはいいこと言うね〜。なるほどね〜。手から鱗とはこのことだよ〜」
さしものムージョも、キョトン顔で、
ムージョ「へ?」
ひかり、後ろから小声で、囁きかけるように、
ひかり「な・ぎ・さ・さ・ん・・・<目>・で・すう」
なぎさ、冷や汗かきかき、
なぎさ「え?そうだったっけか」
ムージョ、不敵な笑みに戻り、
ムージョ「そんなおつむだから、あなたは、お友だちの言葉がちっとも理解できないんじゃなくって?」
なぎさ「な、なんとお〜!?」
ムージョ「時間とともに在るこの世界は一切合財諸行無常。いくら懐かしがっても過ぎ去った時は決して戻って来ない。そんなものにこだわるのは愚の骨頂。お友だちがそう言いたかったということくらい、簡単にわかりますでしょうに」
なぎさ、キッとなって、
なぎさ「ほのかは、そこまで言ってなーい!」
ムージョ「でも、結局そういう話になってしまうのですよ。どうせ消えるはかない世界なら、わたくしが今すぐ消してさしあげましょう!」
ムージョ、すかさず衝撃波の構えに入る。
なぎさも椅子から立ち上がり、ひかゆとと並んで、キッとなって身構える。
そのとき、ひかりのポシェットからセインフが顔を出し、
セインフ「ひかり、ここで戦うのはまずいセイン!アカネさんやお客さんを巻き込みかねないセイン!」
スワンフも、ゆとりのポシェットから顔を出し、
スワンフ「どこか人のいないところに行くのスワン〜!」
ゆとり、深刻な表情で、
ゆとり「でも、いったいどこに・・・」
しかし、ムージョは、デラタコカフェを気遣うセインフらの話を聞いて、ニヤッと笑むと、無情にも、
ムージョ「ハアッ!!」
ボムッ!と衝撃波を、よりによって、少し向こうのデラタコカフェビーグル方面に向けて放ったのだった。
なぎさ「なんてことをッ!」
ひかりとゆとり、驚愕の表情で、
ひかり&ゆとり「あああああ〜っ!」
高速の衝撃波はすでにデラタコカフェに接近し、ふたりはもはやどうすることも出来ない。
ただ、無意識のうちに、互いに両手をギュッと握り合い、祈るように目を瞑って固まっているしかなかった。
ビーグル内で、楽しそうに鼻歌を歌いながらたこ焼きをいじり焼くアカネさんの姿が映る。
アカネ「hhhm♪」
一方、衝撃波はもうデラタコカフェの車体に肉薄している!
ひかゆとは、つないだ手をさらにギュッと強く握り合い、まぶたを固く閉ざし続ける。
ひかゆと「ん・・・!」
すると、そのときふたりの握る手が一瞬キラッと光り、ムージョの放った衝撃波は、ビーグルにぶつかる直前で、角度を90度変えて、天高く急上昇を始めたのである。
ムージョ「え!?」
さらにムージョは驚く。
ムージョ「ムッ!?あっ!あれは!」
衝撃波の行方を追って空を見上げたムージョ、上空にミルキーウェイシップが浮かんでいるのを発見する。
ひかりとゆとりも、上空を見上げ、驚く。
ひかり&ゆとり「ああッ・・・!」
みなが唖然として見上げる中、ムージョの放った衝撃波は、なんとミルキーウェイシップの煙突へと吸い込まれて行きった。
一瞬静寂の後、しばらくすると煙突は、プカッと牧歌的な輪状の煤煙を吐き出し、ポーッと汽笛を鳴らした。
ムージョ、自分の衝撃波が船の燃料にされてしまったことに屈辱を覚え、
ムージョ「ど、どうなっているのです!?」
セインフとスワンフ、ここぞとばかり、同時に、ひかりとゆとりに対して叫ぶ。
セインフ&スワンフ「変身セイン(なのスワン)!」