・ 目次 / 第14話「喧嘩」 (前のページ/次のページ) ・
デラタコカフェ到着。
ゆとり、ひかりの肩をポンと叩いて、
ゆとり「元気出しなよ。じゃ、アタシは帰るから・・・」
ひかり、目礼しながら、
ひかり「すみません・・・」(特にゆとりを引き止めるでもなく、無気力そうに)
そのときである。
なぎさが現れ、声をかけたのであった。
なぎさ「ひかりっ!」
しかし最初に反応したのは、ゆとりだった。
ゆとり「あっ、なぎささん」
なぎさ、ゆとりを見て、笑顔で、
なぎさ「あ、ゆとりもいたんだ?ちょうどよかった〜」
ゆとり「え?」
なぎさ、ニコニコしながら、
なぎさ「ふたりとも時間ある?見せたいものがあるんだ〜」
ゆとり「わたしは大丈夫ですけど・・・」
ゆとり、そう言って、心配そうにひかりのほうへ視線を向ける。
ひかり、肩を落としてため息をついている。
ひかり「ふう・・・」
なぎさ、それに気付いて、怪訝な表情に変り、
なぎさ「どうしたの・・・?」
ひかりのポシェットから顔を出したセインフが、そのまま翼を広げてパタパタ飛び出し、
ひかり、一瞬宙を見上げて驚いたあと、こちらへ振り向き、ニッコリ。
来てねデラタコカ〜フェへプリキュアメニューでたっぷり召し上がれイエイ!
いつも嬉しい帰り道♪
デラタコカフェダイナー!
画面の向こうから翼を広げて飛んで来たスワンフ。ゆとり、俊足で追いつき、ステップジャンプして、スワンフの足をつかみ、宙に浮く。ゆとりにっこりサクセスのピース。その直後に、スワンフの足から手を滑らせ、落ちそうになり、慌てふためく表情。
デラタコカフェ。
なぎさ・ひかり・ゆとり。テーブル席に座っている。みんな制服姿(つまり、ひかりはまだエプロンを着けておらず、働く体勢には入れていないということ)。
なぎさ、神妙な顔つきで、
なぎさ「ふ〜ん、あの奈緒と美羽がねえ・・・」
ひかり、下を向いたまま、
ひかり「なんだかわたしのせいじゃないかって思っちゃって・・・」
ゆとり、苦笑いを浮かべ、
ゆとり「またひかりは〜!すぐ自分が悪いって思うんだから」
ひかり「だって・・・」
ゆとり「あれはあ、誰が見てもお、奈緒と美羽が仲よすぎるせいだよ。痴話喧嘩ってやつ?」
なぎさは、これを聞いて、痴話喧嘩の意味がわからず、
なぎさ「ゆとり、痴話喧嘩って?」
ゆとり、苦笑しながら、
ゆとり「ええ?わかりませんかあ?たとえばなぎささんとほのかさんの喧嘩のことですよ」
なぎさ、キョトンとして、
なぎさ「アタシとほのかの・・・?」
なぎさは、いよいよ意味が分らず怪訝な表情に。
しかしそのとき、なぎさ、ハッとなって、
なぎさ「あっ!そうだ、肝心なこと忘れてた」
ゆとり「え?なに?」
なぎさは、すっかり笑顔に戻る。
なぎさ「来たよ、来たよ、ほのかから返事がッ!」
ひかりもさすがに、少し顔を上げ、
ひかり「え?ほのかさん?」
ゆとりは快活に、
ゆとり「グレートッー!見せて見せてッ!」
なぎさ、カバンの中に片手を突っ込んでゴソゴソと物を取り出そうとする。
なぎさ「えへへ〜。あったっ。これこれ」
なぎさが、エアメールを取り出す。そして、その中から写真を出す。
なぎさ「ジャ〜ン!」(ふたりに見えるように)
ひかり、ちょっと驚きの反応。
ひかり「あッ、お上手!」
ゆとり「すごいっ!たこ焼き?」
写真アップ。
アカネさんから進呈されたと思われる笹の船にちゃんと乗った、形のいい六個のたこ焼きが三つずつ二列に置かれて写っている。
さらに、なぎさは、もう一枚の写真を取り出して、示す。
なぎさ「こっちも、ジャ〜ン!」(さっきのたこ焼きアップの写真は右手で、そしてこのもう一枚の写真は左手で、なぎさの顔あたりの高さに掲げている)
ひかり、さっきまでの憂いを忘れたかのように、目を輝かせ、
ひかり「あっ!ほのかさん!」
その写真アップ。
ほのかと両親が、楽しそうにたこ焼きを囲んでいる<証拠写真>。
ゆとり、写真をマジマジと見つめながら、真顔で、でも冗談めかした声音で、
ゆとり「へえ〜・・・ほのかさんてひと、やりますね」
なぎさ、我が事のように自信ありげな表情と声で、
なぎさ「ほのかはその気になればなんでも出来るからね。・・・あたしと違って」
ひかり、やや元気になって、口を挿む。
ひかり「でも、なぎささんのあのアドバイスがすごく役に立ったんじゃないでしょうか?」
そこで12話の該当シーン回想。
なぎさが、ゆとりに、どのような「ビギナーによるビギナーのためのレシピ」をほのか宛てに書いたのかを聞かれたときの返答。
なぎさ「『たこ焼きを作るとき一番大事なのは、自分の作ったたこ焼きを食べてもらいたいひとの姿をずっと思い描きながら焼くことです』」
ゆとり「ふんふん」(目を瞑って、結構感心しながら聞く)
なぎさ「・・・以上」
ゆとり「ふんふん・・・って、え〜それだけ?」
なぎさ、笑顔で、
なぎさ「そう。それだけ」
なぎさ「ああ、そのことだけど、ほのか、手紙にこう書いてるよ」
なぎさ、そう言って、写真をテーブルの上に置くと、今度はエアメールの封筒を取り上げ、中から便箋を取り出す。
そのあいだ、ゆとりは、テーブルに置かれたほのかの家族の写真を取って、しげしげと眺めている。
ゆとり「ふ〜ん・・・」
なぎさ、読み出す。
なぎさ「えっと・・『なぎさへ。素敵な誕生日プレゼントありがとう。なぎさの言葉に従って、なぎさとひかりさんとゆとりさんの顔を思い浮かべながら作ったら、結構上手に出来ました』・・・だってっ!」
そう読み終えると、なぎさ、顔を上げ、ひかりとゆとりに対して、ニッカと笑う。
ひかりは、素直に喜ぶ。
ひかり「わあ・・!」
一方ゆとりは、ほのかの写真を見ていたが、ハッとして顔を上げ、驚きの表情で、
ゆとり「わたしの顔・・・?ほのかさん、わたしのことも書いてるんですか・・・!?」
ゆとりは、まだ会ったことのない噂の先輩プリキュアほのかが、なぎさ宛ての手紙の中で、ゆとりの顔に言及していることを聞いて、なにやら胸が高鳴るのを感じるたのであった。