・ 目次 / 第13話「海の休日と休日の海」 (前のページ/次のページ) ・
海中。
ルミナスとラピッドは、辛うじて手を握り合っているが、水中で息が出来ず、窒息寸前の苦しみの中にいる。
水中でゴボゴボ言う中、
ルミナス&ラピッド「ンンンンっ!」
それでも、泳ぎに自信のあるラピッドは、片手でルミナスの手を握りながら、もう一方の手を使って、水を掻き、なんとか浮上しようと頑張り始めた。
ラピッド「くっ!」
ルミナス「<ラピッド・・・>」
ルミナスは、ラピッドに手を引かれながら、見守るように、その背中を見つめる。ルミナスの長い髪は海草のように揺ら揺ら揺らめいている。
しかし、これがますますラピッドに負荷をかけているのも確かである。
ラピッド「ううっ・・・」
案の定、ラピッドはついに力尽き、口の中の空気をポコッと吐き出すと、そのまま意識が遠のいて行くように、海中を浮遊し始める。
ルミナス、驚く!
ルミナス「<ラピッド!>」
が、同時にルミナスも苦しさの絶頂を迎えた。
ルミナス「う、ううっ!」
そのときである。ルミナスの全身がピシャーン!と光り輝き出したのだ。
海の中なのに、長い髪がシャキーンと真っ直ぐに伸び、発光している。
そして、その光り輝きは、やがてルミナスの腕に集まり、ビュンと光弾のようにラピッドの腕を通過して、ラピッドの全身へと広がって行った。
閉じていた目をカッと見開くラピッド。
ラピッドは、ルミナスと握り合った手を離すと、意を決したように、ギューンと右回りに旋回(ピルエット)し始めたのであった。
ルミナスは、窒息寸前の苦しさで意識が朦朧とする中、それでも驚きの目で、
ルミナス「<ラピッド・・・!>」
海上。防波堤。
灯台の上に立って、頬に手を宛がいながら海の様子を見ていたムージョ、ハッとなる。
ムージョ「むっ!?」
L&Rが沈んだ辺りから、大きな渦潮が発生したのである。
そして、その渦潮は、ちょうどそのそばの海面に突き出ていた海坊主ムカツキーを一気に呑み込んで行く。
ムカツキー「ムッ! ムカツキイイイイ〜!?」
ムージョ「なんとっ!」
ムカツキー「ムカツ・・・〜!! (ゴボゴボゴボゴボ)」
ムカツキーは一瞬にして、海の藻屑と消えてしまったのであった。
その直後、渦潮の中心から、ラピッドがルミナスを手で引っ張りながら、飛び出して来た。
宙で、ルミナスの手をパッと離すと、ラピッド、ギュルルル!とまた物凄い独楽のような旋回をして、灯台上のムージョのほうへ突き進み、バチッと弾き飛ばした。
ムージョ「ウアアアア!」
ラピッドとルミナス、スタッと防波堤の上に着地。
だが、ルミナスのほうは、フラフラとめまいを起こし、倒れそうになる。
ルミナス「うう・・・」
ラピッド「ルミナスッ!」
独り元気を回復したラピッド、ルミナスの上半身をバッと両腕で抱えて、支える。
ムージョも、ダメージを負い、フラフラになりながら、防波堤の上、L&Rの前に再び降り立ち、対峙。
ムージョ「ちィ・・・!」
と、そのとき、矢庭にザバーンという浪の音がする。
ムージョ、ハッとなって、海面を見下ろす。
ここかしこで、海面を飛び跳ねる魚の銀鱗が見え出した。
防波堤に停泊している漁船も、波に揺れ、ギイギイ言い始める。
さらに水平線のほうへ目を転じると、大海原全体に、白波が立っている。
なんと潮の流れが完全に元通りに戻っていたのである。
ムージョ<な、なんですって!? まさか、さっきの潮の渦で・・・すると、やっぱりあのお嬢さんがっ・・・!?>
ムージョ、こちらを睨み続けるラピッドをズームアップで捉える。
そして、攻撃態勢で握り締めていた両こぶしをスッと解き、腕を下げると、ニヤッと笑って、不気味なほど柔和に、
ムージョ「今日はお互い大きな獲物を釣り上げましたね」
ルミナス&ラピッド「えっ!?」
ムージョ「ほほほ。ごきげんよう! ハッ!」
ムージョはそう言って、どこかへ瞬間移動して去って行ったのだった。
ルミナス「あ・・・」
ラピッド「え?」
戦わずして帰って行ったムージョを不審がり、互いに顔を見合わせるふたり。
帰りのビーグル内。
ビーグルは、海岸線を走る。
アカネさん、運転しながら、後部座席のひかゆと相手に、上機嫌でおしゃべりに興じている。
アカネ「いやー、よかった、よかった。急に潮の動きが出たら、とたんにタコがバンバン釣れ出してさあ」
ひかり「来てよかったですねえ」
アカネ「だけど、この調子なら、週明けの明日は、普通にタコ、市場に出回ってるよ」
ひかり「はあ」
アカネ「まあ、海が元に戻ったのをこの目で確かめられたのは、よかったんだけどさあ」
ひかり「そうですね」
ひかり、無邪気に微笑む。
アカネ「でも、なんで元に戻ったんだろうね」
ひかり「えっ!? そ、それは・・・あの、実は・・・」
ゆとり「いっ!」
ゆとり、本当のことを言いそうになるひかりを制止するように、無言で「しィー!」のポーズを取る。
ひかり「は、はあ?」
ゆとり、取り繕いの苦笑いを浮かべ、
ゆとり「え、ええっと〜、きっと海さん、休日が終わってお仕事に戻ったんじゃないすか」
アカネ「海の休日〜? はっはっは〜。ありゃあ、口から出任せだよ〜」
ゆとり「は?」
アカネ「海は、天下のデラタコカフェと一緒で、年中無休、、、のはずだよ・・・でもなんで?? まあ〜、元に戻ればどうでもいいや」
アカネさんがこれ以上深く追求しないとわかり、ゆとりは、安堵してほっと溜息をつく。
ゆとり「hooo〜〜」
安堵したところで、ゆとり内省。
ゆとり<ナラクーダとかシスター・シーズンとか、アタシだってまだわけわかんなくて混乱してるのに、言えるわけないよ。それに、あのときのわたしだって・・・>
ゆとりは、さきほど海中でピルエットして大渦巻を起こし、潮の流れを元に戻した自分自身の振る舞いを、思い出していた。
カメラ、またアカネさんに戻り、
アカネ「あんたたちもビギナーのわりにはよく釣ってくれたし、この後帰ったら、新鮮なタコで、超超美味しいたこ焼き作ったげるからね」
ひかり、素直に喜んで、
ひかり「わあ、ありがとうございますう!」
そして、ゆとりのほうへ振り返って、
ひかり「よかったですね、ゆとりさ・・・」
ところがゆとりは、スースー寝息を立てているのだった。
懐中のスワンフ、ゆとりのことを気遣う。
スワンフ「ゆとり・・・きっと、あのとき力を出し尽くして、疲れたのねスワン」
ひかりも、スワンフと同じことを考えていたのだろうか、慈愛に満ちた目で、ゆとりの寝顔を見つめていた。
ひかり<ゆとりさん・・・>
再度、すやすや眠るゆとりの寝顔アップ。
ひかりの視線は、ゆとりの寝顔を見つめると同時に、窓外の景色をも捉えていた。
渚が映る。白い浪が寄せ返し、潮騒(しおさい)も喧(かまびす)しい。
海は完全に休日を終え、リフレッシュされたように、以前にも増して勢いよく活動していた。
プリキュアミニアルバム!
プリキュアシリーズのすべてのお話の名場面のカードを、
アルバムポケットのタイトルに合わせて入れてって、
あなたのコレクションをコンプリートしちゃおう!
ひかり「ああぁ、どうしたらいいんだろ・・・」
ゆとり「ひかりが気を揉むことないって」
ひかり「でも、わたしのせいだから・・・」
ゆとり「考えすぎだってえ」
ひかり「でも、やっぱりわたしが何とかしないと」
ゆとり「じゃあ、ムカツキーをひとりでやっつけてよ」
ひかり「えっ!? そ、それはムリですう」
ゆとり「でしょ? ともだち同士で協力し合わなきゃ出来ないこともあるんだって」
ひかり&ゆとり「ふたりはプリキュア ミルキーウェイ。第14話「喧嘩」」
ゆとり「それにしても、奈緒と美羽の痴話げんかにも困ったもんだよね」
ひかり「あの・・・痴話げんかって、夫婦同士の喧嘩とかのことなんですけど・・・」
ゆとり「よかった〜!」
ひかり「え?」
ゆとり「そんなウンチク垂れてるうちは、ひかりはまだ大丈夫。わざと鉋(かんな)かけてみたんだよ」
ひかり「はあ。ホントに鎌をかけたんですか?ゆとりさん?」
ゆとり「えっ?鎌をかけるって・・・どんな意味?」
ひかり「あのお・・・」
またみてね!