■ 第13話「海の休日と休日の海」

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ムージョ「試しに今、あなた方の周辺の海だけ時の流れを回復させてみたら、ほら、このとおり(ひかりが両手に持った蠢(うごめ)くタコを、あごで指示し)、海の生き物たちも活動を再開しました。ときびとの庭のすべての海を、このように元通りにしたいと思うでしょ、あなたたち?」
さすがのひかりも、ちょっとムッとなって、
ひかり「あ、当たり前です! わたしたちの暮らしに、お魚はなくてはならないものなんです」
ゆとり「早く潮の流れを元に戻してよね! 今頃満潮で、海面はもっと高くなってなきゃいけないのに!」
ムージョ、不敵に笑み、
ムージョ「ふふふ、そんなに海面を上昇させたいのでしたら・・・(空に片手を突き出し、叫ぶ)ムカツキー、おいでなさいー!」
ムージョの叫びに鋭く反応するように空間がバリンと割れ、ビュイーッと一陣の旋風が起こると、それはそのままバシャッ!と海に潜って行った。
ひかゆと「ああッ!!」
しばらくすると、今度は海面が海坊主のように盛り上がり出したのである。
ゆとり「こ、今度こそ・・・!」
ひかり「タコ・・・さん!?」
ムカツキー「ムカツキー!
しかしそれは、海水で出来た海坊主タイプの高潮ムカツキーであった。
スワンフ「ゆとりっ、すぐ変身するのスワン!」
セインフ「ひかりも急ぐんだセイン!」
ひかりとゆとり、互いに頷き合う。
ひかり、タコを大事そうに地面に置くと、変身バンク。

ひかり&ゆとり「ツーショット・ハーモニック・レイディエーション!!
* お互いのコミューンをお互いに向けて或るボタンを押す(ツーショット)。
すると、互いのコミューンから光線が発射され(レイディエーション)、ひかりの光線はゆとりに光の輝きのパワーを、ゆとりの光線はひかりに光の速さのパワーを互いに送り、それぞれに不足するパワー素を補い合い、「ふたりはプリキュア」へと、互いを互いに高め合う(ハーモニック)のである。
ルミナス、シャイニールミナス風に両手を広げ、髪の毛をたなびかせながら、
キュアルミナス「とわに煌めく光輝の使者・キュアルミナスッ!
ラピッド、ホワイトのバンダナをたなびかせ、胸の前に両腕を交叉させ、両こぶしグーで、ボクシングのガードのようなポーズを取り、
キュアラピッド「とわに駆け巡る光速の使者・キュアラピッドお!
ふたりともそれぞれそのままのポーズで、並んで映し出され(ルミナスが右、ラピッドが左)、
ルミナス&ラピッド「ふたりはプリキュア!
さらにラピッド、一回転して、胸のところでグッとしていた腕を突き出し、ビンと指差す(夏京の贋プリキュアの指の突き出し方参照)
ラピッド「時の流れを捻じ曲げるあなたッ!
ルミナスは、シャイニールミナスのように広げていた両の手を、交叉させるように胸に柔らかく宛がい、うつむき加減になって両目を一瞬聖母のように閉じたあと、カッと見開いて正面を向き直り、毅然とした落ち着きのある、しかし優しい声音で、
ルミナス「素直な心にお戻りなさい!

L&Rとムカツキーの戦いが始まる。
海水をタコの触覚のように伸ばして攻めて来る高潮ムカツキーに対して、ルミナスは間一髪ですり抜ける。
ルミナス「はあ! はいっ!」
一方ラピッドは、ムカツキーがルミナスへの攻撃に気を取られて、隙が出来ているのを見ると、懐へ攻め入った。
ラピッド「タアアアアアアッ〜!」
しかし、海水を成分とする高潮ムカツキーに、蹴りやパンチは、文字通り暖簾に腕押しの如くで、全く通じない。
ラピッド「やああッ!」
ラピッド、バシャッと蹴り込んだあと、諦め顔になって、
ラピッド「ダメ〜! すり抜けちゃう」
ルミナス、身構えながら、
ルミナス「どこかに弱点があるはずです。それを探しましょう!」
ラピッド、ルミナスの毅然とした表情にハッとなり、
ラピッド「う・・・うん」
珍しくリーダーシップを取るルミナス、独りで攻撃にかかる。
ルミナス「タアアアアア!」
ルミナスは、蹴り込みに行ったかに見せかけて、フェイント。津波のように盛り上がったタコ入道ムカツキーの前でクルッと前転(ふつうに一回転)し、額の部分をつま先でトンッと蹴る。すると、その部分は意外と硬い。
ルミナス「あっ!」(ルミナス自身、そのことに気づく)
ルミナスは、その抵抗力を利用して、Uターンし、クルクル後方回転しながら、堤防のほうへ戻り、ラピッドの隣にスタッと着地する。
ルミナス、再びムカツキーに対して身構え直し、隣のラピッドに語りかける。
ルミナス「弱点が、わかりました」
ラピッド、ルミナスのほうへ向いて、
ラピッド「えっ!? ホント?」
ルミナス「海水なのにすごく硬い部分があります。たぶん、ものすごい水圧をかけて、潮の流れに逆らって、あの形を維持してるんです。そこを壊せばいいんです」
ラピッド「でも、どうやって壊すの?」
ルミナス「もとは普通の海水です。この広い海の潮の流れがぜんぶ元通りになれば、自然に流されて行くはずです」
それを聞き届けたラピッドは、
ラピッド「なるほど〜、とかいって、ちょっと理科のお話はわかんないや、あはは」
臨場感のないコミカルな素っ頓狂顔で自嘲気味に笑う。
そのとき、灯台の上に立つムージョが、
ムージョ「いろいろ相談なさってますけど、答えは簡単。あなた方のどちらかがシスター・シーズンの本性を顕せばすむことなんじゃないかしら。ほほほ」
L&R、キッとなって、ムージョを見上げる。
ラピッド「またそのことを・・・!」
ルミナス「ラピッド!」
ラピッド「ウンッ!」
ふたりは、一瞬見つめ合うと、ムージョのリクエストを無視すべく、いつもどおりプリキュア・アストラル・トルネードの体勢に入る。
ルミナス「光る時、かける(×)」
ラピッド「走る時、イコール(=)」
ルミナス&ラピッド「プリキュア・アストラル・トルネードオオ!!
ムージョ「ほほほ、性懲りもなく・・・」(不敵に笑む)
超音波のような渦巻状の閃光がルミナス&ラピッドの全身から発せられ、原爆のようにゆっくりと広がって行く。
アストラル・トルネードは、時の流れの重みを原動力にしている。
時の流れに逆らうナラクーダの者たちには、最も効果的な斥力を持つ。
トルネードがムカツキーに肉薄する。
またムージョの不敵なにやつきがアップに。
ムージョ「ふ」
相手は、大海原の潮の流れにさえ抗するほどの高水圧から成る高潮海坊主ムカツキーである。
それは、時の重みにさえ逆らう力をも秘めていたのだった。
ムカツキーは、しばらくアストラル・トルネードと押し合った後、ついにトルネードを一蹴するようにバシッと弾き飛ばしたのだった。
ムカツキー「ムッカツキイイ〜!」
L&R「ああっ!」
トルネードが、空中分解する。
ムカツキーは、さらにその勢いで、鎌首を擡(もた)げるように巨大津波と化し、一気にプリキュアのふたりに襲いかかって来た。
ムカツキー「ムカツキー!!」
ルミナス「そ、そんな」
ラピッド「あああ〜」
L&Rは、泣きそうな表情になった。
しかし大波ムカツキーが、容赦なく襲って来る。
ふたりは、なすすべなく大波にザブンと飲み込まれた。
そしてそのまま悲鳴を上げながら、海中に浚(さら)われて行ったのである。
ルミナス&ラピッド「キャアアアア!

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