■ 第13話「海の休日と休日の海」

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● アバン

・第1幕

晴れた午後の空。
カメラはやがて、下へと進み、
真下に、かまぼこ型丸屋根の体育館が、映し出される。
太陽光の反射で光って見える。
徐々にカメラが近づくと、
シューズ(バッシュ)が床にこすれる「キュッキュッ」という音と、ボールをドリブルする「バンバンッ」という音が漏れて来る。

・第2幕

体育館内。ベローネ学院女子中等部バスケ部の練習中の光景。
まず奈緒のアップ。
奈緒は、キラキラ光る汗を流しながら、ドリブルで駆け抜けて行く。
奈緒「やあっ! ほ〜い!」
余裕で一人抜き、二人抜き。
しかし、フイッと奈緒の前に立ちはだかった3人目にバッとボールを掠め取られる(3人目の姿は、ここではまだ背中しか映らない)。
奈緒「ああっ!」
奈緒とすれ違いざまに映ったその3人目は、ゆとりであった。
ゆとり「へへ。いただきー!」
ゆとりは自信に満ちた笑みを浮かべながら、奈緒に聞こえるくらいの声でそう言うと、、
そのまますごい勢いで逆方向へドリブルして行く。
(<バンバン!>、<キュキュッ!>という激しい進撃音)
奈緒は、棒立ちになり、諦め顔で、ゆとりの背中を見つめるしかない。
奈緒「はあ・・・」
ゆとりはリング真下まで来ると、ジャンプしてバックシュート。
ゆとり「イェアッ!」
ボールはネットを通過して、難なくシュート成功。
ゆとり「(着地しながら)やッりィ!v(^-^)v」
着地したゆとりは、静止することなく、キュキュッとバッシュの音をさせ、軽快に走ってセンターへと戻りながら、すれ違いざまに、諦めの苦笑いを浮かべる奈緒に対して、ニッカと笑む。
ゆとり「へへえ(o^-')b」
奈緒も仕方なく、愛想笑いで返す。
奈緒「はは・・・(^o^;)」

・第3幕

練習後。
屋外の水道場にて。
ジャーッという水道の音。
ゆとりと奈緒が並んで顔を洗っている。バスケのユニフォーム姿(白地にオレンジのライン)。
奈緒、蛇口を閉じ、うなじに巻いたタオルで顔を拭きながらゆとりのほうへ向いて、フレンドリーな顔で、
奈緒「ゆとり、お腹すかない?」
ゆとり、顔を上げ、両手で水を掬いながら、奈緒を見て、
ゆとり「うん、すいた、すいた」
奈緒「アタシ、このあと生科部の美羽たちを誘ってデラタコカフェに行くつもりなんだけど、・・・ゆとりも一緒に行く?」
しかし、ゆとりは、ちょっと心配げに笑みながら、
ゆとり「え? いいよ。でも・・・あたしが行ったら迷惑じゃない?」
奈緒、一瞬笑顔を引っ込め、怪訝そうに眉をひそめる。
奈緒「え、なんで?」
ゆとり、困ったように眉を下げて、
ゆとり「奈緒と美羽とひかりってさ、なんか入り込めないくらい仲いいみたいだから・・・」
奈緒も、困ったようにまた笑んで、
奈緒「え〜、そんなこと気にしなくてもいいよ。ゆとりだって、わたしの大事なチームメートなんだから」
ゆとり、奈緒のその言葉を聞くと、爽やかそうな笑顔を浮かべる(無言で)。
そして水道の蛇口をキュッと閉め、
ゆとり「そっ? じゃあ〜行くよッ!」
奈緒はもちろんニッコリ。
奈緒「オーケー。そんじゃ、ちょっと生科部の様子見に行って来るから、着替えたら校門の辺で待ってて!」
ゆとり「うんッ!」
ゆとりは、大きく頷いてみせた。
奈緒、家庭科教室のある校舎のほうへ駆けて行く。
奈緒の背中に夕陽が映える。
ゆとりは、うなじに巻いたスポーツタオルの両端を両手で握り、奈緒の背中を見遣りながら、さっきまでの笑顔をちょっと寂しげに弱めて、ポツリ、
ゆとり「チームメート、か・・・

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