■ 第12話「ほのかの誕生日」

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・第3幕

第2幕の続き。
時間が少し飛んで、同じゆとりの部屋にて、ゆとりとさなえさんが対座しているシチュエーションから。
まず、抹茶立てのシーンが詳しく描かれる。
畳の上に葛餅が置かれ、その横で、抹茶を立てるさなえさんの手先のみ映る。
茶碗に湯をコポコポと注ぎ、茶筅(せん)でシャカシャカッと混ぜたあと、その湯をチョロチョロと捨て、茶巾(きん)で内側を拭く。
次に、茶杓(しゃく)で抹茶の粉末を少量掬(すく)って茶碗に入れ、またお湯をコポコポと注いだあと、再び茶筅で混ぜ出す。
ここで、その前に正座させられたゆとりが映る。慣れぬ正座をさせられ、一応両手を膝上に乗せているが、かなりぎこちなく、首を竦めるような格好で、両肩が突っ張っている。
足も痺れ出して、不快げな顔。
ゆとり「ん、ぃッ・・・」
ゆとり、いよいよ顔をしかめ、心の中で、
ゆとり<ヒイッ。ビリビリ来ちゃう。もうダメッ〜!>
と、その不快が極まったころ、さなえさんが、涼しい顔で、
さなえ「さっ、出来ましたよ。召し上がれ」
ゆとり、やっと出来た〜といった感じで、ほっと一息。
ゆとり「はあああ〜」
そして、茶碗に手を伸ばそうとしたが、その瞬間、畳の上にドタッと顛倒。
さなえさん、ちょっと驚いて、
さなえ「ゆとりさん!だいじょうぶですか・・!?」
ゆとり、倒れたまま苦笑しながら、
ゆとり「だ、だいじょうぶ。ちょと、足がしびれただけ」
そう言って、しびれた足を擦(さす)ろうとして触ると、
ゆとり「ひえッ!来るゥ〜!」
また顔をしかめたゆとり。
さなえさん、笑う。
さなえ「まあ。ほほほ」

・第4幕

続き。
ゆとり、やっと足のしびれも収まり、再度片手を伸ばし、茶碗をつかみ上げ、
ゆとり「いただきまーす」(今度はリラックスの笑顔で)
しかしさなえさん、すかさずゆとりを制止する。
さなえ「あらあら、ゆとりさん、お茶はこうして飲むんですよ」
そう言って、両手のひらで添えるポーズをしてみせる。
ゆとり「えー?こうですか?」
ゆとり、見よう見まねで持ち替えてみる。
さなえさん、笑んで、
さなえ「そうそう」
ゆとり、真っ当な飲み方で、茶をズズッと一飲みした後、
ゆとり「おいしい・・・でも、さなえおばあちゃん、日本人ていろいろ面倒なことを考え出しますね。ただお茶を飲むだけでも、こんなにいろんなルールがあって」
さなえ「確かにそうですね」
ゆとり、茶碗を両手で支えながら、机の上のほのかの写真をじっと見る。
数秒後、さなえさんのほうへ向き直って、
ゆとり「さなえおばあちゃんは、ほのかさんにも、食事とかのいろんな作法をこうやって教えてあげたんですか?」
さなえ「そうですねえ・・・主に小学生のころですけど」
ゆとり「小学生のころに!?」
ゆとり、ちょっと驚いて、
その後、しみじみと、
ゆとり「あ〜あ、ほのかさん、今頃フランスで、日本の窮屈な食習慣なんかすっかり忘れて、清々してるんじゃないかなあ」
さなえ「それはどうでしょうね。三つ子の魂百までって言いますしね」
さなえさん、そう答えると、少し間を置き、はっとしたような仕草を見せて語を継ぐ。
さなえ「ああ・・・それはそうと、ほのかから連絡が来ましたよ」
ゆとり「え?」

● サブタイトル

第12話「ほのかの誕生日」(ひかゆとの元気な声で)

・第5幕

デラタコカフェ。
カフェテラスにて。
なぎさが客として座り、たこ焼きを頬張っている。
その前に、アカネさんとひかりが立ち並んで、みんな笑顔で楽しく日常会話中。
笑い声が聞こえる。
ひかり「本当ですか、なぎささん」
アカネ「またひかりってば、そんな冗談本気にしちゃって」
なぎさ「ホント、ひかりは騙されやすいよね」
3人「ははははは」
(騙されたひかりも一緒になって笑っているところがポイント)
そこへ不意にゆとりが現れたのである。
ゆとり「やあっ!」
ゆとり、片手を挙げて挨拶。
ひかり、非常に意外な顔で、
ひかり「あ・・・」
ゆとり「ひかり、おっす!」
ひかり「こ、こんにちは。今日はどうしたんですか・・・」
ひかり、ゆとりが一人でデラタコカフェに来たことに対して、非常に違和感を覚えている模様。
なぎさは気にせず、笑顔で、
なぎさ「ああ、ゆとりじゃん」
ゆとり、偶然なぎさと会って、ちょっと驚くように、
ゆとり「あ、なぎささんも来てたんだ。ちょうどよかったー」
なぎさ「えっ!なに・・・?」
なぎさ、たこ焼きを突き刺した楊枝を指でつまんだまま、ゆとりの言葉が気になるといった表情に変わる。

・第6幕

みんな(アカなぎひか)、ゆとりの話を聞いている。
場面は、ゆとりの説明の途中から。
ゆとり「・・・てことで、アタシがさなえおばあちゃんに頼んで、パリのほのかさんに電話してもらって、それとなく、今、欲しいものは?って聞いてもらったら・・・」
なぎさ「ほのかは、『今すぐはっきりこれだ!とは言えないけど、日本にしかない懐かしいもの』って答えたんだ?」
ゆとり「そう。それから、こうも言ってたって。『なぎさと一緒に味わった想い出が一番懐かしいから、もしなぎさ自身が日本を離れたら懐かしく感じるはずものが、わたしにとっても懐かしいものだ』って」
なぎさ「アタシと一緒に味わった・・・想い出・・・?」
ゆとり「はい。アタシは、なぎささんとほのかさんの付き合いを全然知らないから、何も思い浮かばないけど、ひかりやアカネさんならわかるかもって思って、それでここに来てみたんですよ」
黙ってゆとりの話を聞くひかりの顔が映る。これはゆとり視線。
ひかり「・・・hu?」
その後ゆとり、なぎさのほうへ向き直って続ける。
ゆとり「そしたら、偶然なぎささん本人がいたから超ラッキーって思ったんですけど・・・何か・・・思い当たるものってないですか?」
ゆとりは、最後には、3人の顔をそれぞれ見渡しながら尋ねた。
アカネさん、自分にも向けられた質問として真面目に考える。
アカネ「なぎさとほのかが一緒に味わった思い出ねえ・・・」
なぎさ「あたしが外国に行ったら懐かしく感じるはずのもの・・・」
アカネ「一緒に味わった・・・一緒に味わった・・・」
そのとき、アカネさんがなぎさのほうへに目をやると、なぎさも考え込みながら、たこ焼きをパクっと頬張った。
なぎさ「(もぐもぐ)懐かひい・・・味・・・」
アカネさん、なぎさを見ているうち、何かあることに思い当たったらしく、
アカネ「んっ?」
一方なぎさ自身も、
なぎさ「んっ?」
ハッと或ることに思いを致したのであった。

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