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第12話「ほのかの誕生日」!(ひかゆとの元気な声で)
デラタコカフェ。
カフェテラスにて。
なぎさが客として座り、たこ焼きを頬張っている。
その前に、アカネさんとひかりが立ち並んで、みんな笑顔で楽しく日常会話中。
笑い声が聞こえる。
ひかり「本当ですか、なぎささん」
アカネ「またひかりってば、そんな冗談本気にしちゃって」
なぎさ「ホント、ひかりは騙されやすいよね」
3人「ははははは」
(騙されたひかりも一緒になって笑っているところがポイント)
そこへ不意にゆとりが現れたのである。
ゆとり「やあっ!」
ゆとり、片手を挙げて挨拶。
ひかり、非常に意外な顔で、
ひかり「あ・・・」
ゆとり「ひかり、おっす!」
ひかり「こ、こんにちは。今日はどうしたんですか・・・」
ひかり、ゆとりが一人でデラタコカフェに来たことに対して、非常に違和感を覚えている模様。
なぎさは気にせず、笑顔で、
なぎさ「ああ、ゆとりじゃん」
ゆとり、偶然なぎさと会って、ちょっと驚くように、
ゆとり「あ、なぎささんも来てたんだ。ちょうどよかったー」
なぎさ「えっ!なに・・・?」
なぎさ、たこ焼きを突き刺した楊枝を指でつまんだまま、ゆとりの言葉が気になるといった表情に変わる。
みんな(アカなぎひか)、ゆとりの話を聞いている。
場面は、ゆとりの説明の途中から。
ゆとり「・・・てことで、アタシがさなえおばあちゃんに頼んで、パリのほのかさんに電話してもらって、それとなく、今、欲しいものは?って聞いてもらったら・・・」
なぎさ「ほのかは、『今すぐはっきりこれだ!とは言えないけど、日本にしかない懐かしいもの』って答えたんだ?」
ゆとり「そう。それから、こうも言ってたって。『なぎさと一緒に味わった想い出が一番懐かしいから、もしなぎさ自身が日本を離れたら懐かしく感じるはずものが、わたしにとっても懐かしいものだ』って」
なぎさ「アタシと一緒に味わった・・・想い出・・・?」
ゆとり「はい。アタシは、なぎささんとほのかさんの付き合いを全然知らないから、何も思い浮かばないけど、ひかりやアカネさんならわかるかもって思って、それでここに来てみたんですよ」
黙ってゆとりの話を聞くひかりの顔が映る。これはゆとり視線。
ひかり「・・・hu?」
その後ゆとり、なぎさのほうへ向き直って続ける。
ゆとり「そしたら、偶然なぎささん本人がいたから超ラッキーって思ったんですけど・・・何か・・・思い当たるものってないですか?」
ゆとりは、最後には、3人の顔をそれぞれ見渡しながら尋ねた。
アカネさん、自分にも向けられた質問として真面目に考える。
アカネ「なぎさとほのかが一緒に味わった思い出ねえ・・・」
なぎさ「あたしが外国に行ったら懐かしく感じるはずのもの・・・」
アカネ「一緒に味わった・・・一緒に味わった・・・」
そのとき、アカネさんがなぎさのほうへに目をやると、なぎさも考え込みながら、たこ焼きをパクっと頬張った。
なぎさ「(もぐもぐ)懐かひい・・・味・・・」
アカネさん、なぎさを見ているうち、何かあることに思い当たったらしく、
アカネ「んっ?」
一方なぎさ自身も、
なぎさ「んっ?」
ハッと或ることに思いを致したのであった。
それは、前回(第11話で)藤Pが言っていたことである。
なぎさ回想。
藤P「それに、ここのたこ焼きはすっごく美味しいってほのかによく聞かされててさ、前から一度食べてみたいと思ってたんだ」
藤P「ほのかのやつ、君のとこのたこ焼きはフランス料理より美味しいって、マジ顔で言ってたんだから」
なぎさ「あっ・・・」
アカネさんとなぎさ、同時にハッとなって、
アカネ&なぎさ「たこ焼きぃ!?」
ひかり、キョトン顔で、
ひかり「たこ焼き・・・?」
ゆとりも、<こんなものが?>といった腑に落ちぬ表情で、なぎさの笹の船を指差す。
ゆとり「ええ?・・・これ?」
ひかり「でも、フランスではたこ焼きは食べられないんですか?」
アカネ「ん~ほとんどないし、たま~に日本人向けに売られてても、これがたこ焼きぃ~?ってな味かな。聞いただけだけど」
ひかり「へえ・・・」
と反応して、ひかり、内心、
ひかり<甘いということ?おいしいかも?(うふ)>
なぎさ「だけど、たこ焼きなんて、フランスに送れないよお」
アカネさん、腕組みしてう~んと考え込む感じで、
アカネ「そうだねえ。冷凍たこ焼きを空輸で送るくらいなら、やめといたほうがいいかもね・・・」
そこへゆとり、口を挟む。
ゆとり「材料はなんとか向こうでも手に入るんでしょ?」
アカネ「まあ、小麦粉とか基本的なものはね・・・タコは南の地方では食べてるらしいし、冷凍ものなら手に入るかなあ・・・紅しょうがや鰹節は多分無理だろうけど」
ゆとり、積極的な笑顔で、
ゆとり「じゃあさ、足りないものを買い揃えて飛行機で送って、向こうで作ってもらえばいんじゃないすか?」
なぎさ「ん?おお、グッドアイデアじゃん。ゆとり、頭よく回るね」
ゆとり「えへへ」(頭カキカキ、含羞と矜持の笑顔)
しかし、ひかりは乗り切れないような不安顔で、
ひかり「でも、ほのかさん、上手に作れるでしょうか・・・」
アカネさんも、難しい顔になり、
アカネ「それなんだよね。いくらほのかでも、たこ焼きはどうかなあ・・・見た目以上に難しいからね。アタシが暇ならレシピ書いてあげてもいいんだけど・・・」
アカネさん、「うんと~」と少し考えてから、或ることを思いつく。
アカネ「あっそうだ。なぎさが、レシピ書いて教えてあげなよ」
なぎさ「え~、なんでわたしがあ?」
アカネ「そりゃアンタ、一番の親友だからだよ。それに、これくらい心のこもった手作りの誕生日プレゼントは他にないかもよ」
なぎさ、真顔で、
なぎさ「心のこもった、手作りの・・・」
アカネ「あんた自身が作ってみれば、間違いやすいこととか、絶対にしちゃいけないこととか、わかるっしょ」
なぎさ「ひっど~い。失敗するって初めから決め付けてませんか、アカネさん?」
アカネさん、あやすように苦笑。
アカネ「まあまあ。ビギナーなんてそんなもんだからさ。ほのかだってそうだよ」
なぎさ「ほのかも・・・」
アカネ「でも、あんたはここでたこ焼き作れる環境にいるだけ有利なんだから、なぎさならではの、ビギナーによるビギナーのためのレシピを作るんだよ」
なぎさ「ビギナーによるビギナーのための・・・そうか、アタシ、なんでもほのかに敵わないって思ってたけど、たこ焼きのことなら、アタシがちょっとだけ先輩だし、作り方だって、ほのかに先を行かれてないんだよね・・・」
なぎさ、独り言のようにそう自分に言い聞かせると、ニッカと笑顔になり、
なぎさ「うん!それいいですね!じゃあアカネさん、練習させてください!」
アカネ、困り顔で、
アカネ「ああっと、アタシは忙しいからダメだよ」
なぎさ、望みを失ったように、
なぎさ「え~、レシピ作れって言っといて、そんな」
そこでアカネさん、思わせぶりな笑顔になり、
アカネ「でも、他にいい先生がいるじゃん」
なぎさ「えっ、誰?」
アカネ、にこやかに、
アカネ「ひかりだよ」
ひかり「えっ!」
ひかり、目を大きくして驚く。
なぎさ「ひかり? あたしがひかりに教わるんですか?」
なぎさ、ちょっと不本意そうに、ひかりを見つめる。
ひかりも、バツが悪そうな顔で戸惑う。
ひかり「hoa・・・」
アカネ「こらこら、変なとこで先輩風吹かさずに、謙虚になりなよ。ひかりは、アタシの一番弟子でもあるんだよ。その腕前は、もう免許皆伝一歩前だよ。ねっひかり!」(ひかりのほうへ振り返る)
ひかり「えっ!? ・・・あ、あ・・」(なんと答えてよいか全くわからない)
アカなぎひかゆとが、バーベキュー用コンロを囲んでいるシーン。場所は、公園の一角だが、デラタコカフェからは離れている。
アカネさん、バーベキューセットの炭火焼コンロの上に、たこ焼き用鉄板をセットし終える。
アカネ「さあ、これでよしと」
アカネさん、腕を組んで周辺を見渡しながら、
アカネ「ここは、この公園で唯一バーベキューしてもいいことになってるキャンプ用広場だから、心置きなく煙を出して、たこ焼き作りの練習に励めるよ。じゃあ、アタシは店があるから、あとは、ひかりっ、任せたよ」
ひかり、やや気後れした表情で、
ひかり「え、ええ・・・」
と頷いた。
アカネさん去った後、3人残る。
エプロン姿のひかり、なぎさとゆとりに向かって立ち、とても恥ずかしそうにうつむき加減で、
ひかり「で、では、始めさせていただきますぅ・・・」
なぎさ、ちょっと面白そうに笑いながら、
なぎさ「なんか、ひかりにものを教わるのって、変な感じ。今までこんなことってなかったもんね」
ひかり、両手をエプロンの前でつなぎ、恥ずかしがりながら、
ひかり「え、ええ」
と頷く。
なぎさ「でも、確かに、たこ焼きでは、ひかりが先生だもんね。じゃあ、九条せんせ、よろしくお願いしまーす」
と冗談っぽく、にこやかにお辞儀する。
ひかり「く、九条せんせい・・・!?」
ひかりは、すっかりドギマギ。
ゆとり「たこ焼きの先生、よろしくお願いしまーす」
ゆとりも調子に乗って、なぎさの真似事のお辞儀。
そのときなぎさ、怪訝そうにゆとりに振り向き、
なぎさ「ねえ、さっきから思ってたんだけど、なんでゆとりもここにいるわけ?」
ゆとり、ちょっとふてて、
ゆとり「え~先輩、ひどいですよお。先輩のためにアタシがこっそりさなえおばあちゃんに、ほのかさんのほしいものを聞いてもらったのに、それがわかったら、もうお払い箱ですかあ?」
なぎさ「そ、それはそうだけど・・・これは遊びじゃなくて、あたしは、ほのかの誕生日祝いのために一肌脱ぐんだよ」
ゆとり、一転して笑いながら、
ゆとり「わかってます。わかってますって。だからその一肌脱ぐの、アタシも混ぜてくださ~い。アタシだってひかり先生からたこ焼きの作り方教わりたいんですよ~」
ゆとり、そう言うと、今度はひかりのほうを向き、
ゆとり「サア、ひかり、早く始めちゃって」
ひかり「は、はい。じゃあ、まず材料の説明から・・・」
その光景を、空から見下ろしている者あり。
それは、ムージョ。
ムージョ、にやつきながら、
ムージョ「ふっ、お誕生日祝いですって。お友だち思いなこと」
ひかりのポシェットから顔を出したセインフが、そのまま翼を広げてパタパタ飛び出し、
ひかり、一瞬宙を見上げて驚いたあと、こちらへ振り向き、ニッコリ。