・ 目次 / 第11話「盗まれた想い出」 (前のページ/次のページ) ・
なぎさ、両手で後頭部を支え、天井を見つめて、
なぎさ「接点ねえ・・・」
ゆとり「プリキュアってだけじゃ、そんなに仲良くなれないような気がするんですけど・・・」
ゆとり、そう言って、畳に端座しているひかりに、ニッコリ笑って、
ゆとり「ね〜、ひかり」
ひかり、苦笑して、
ひかり「そ、そうですね・・・」
なぎさ、ボンヤリ天井を見続けながら、ゆとりの言葉を鸚鵡返しするように、
なぎさ「プリキュアってだけじゃ、かあ・・・」
ゆとり、続ける。
ゆとり「アタシ、ほのかさんに直接会ったことないですけど、なぎささんと全然違うってことだけは、なんとなくわかりますよ」
なぎさ「全然違う、かあ・・・そうだね〜。なんでなんだろうね〜」
そこでひかりが、フォローするように、なぎさに、
ひかり「でも、なぎささんとほのかさんが喧嘩してるところも見たことないし、もともとなかよしなんですよね?」
なぎさ、それを聞いて、「ふ」と優しげな苦笑いを浮かべる。
ひかりの誤解を、むしろ嬉しく感じるがためであろう。
そして、健気な(ナイーブな)ひかりをチラッと見て、ちょっとしんみりした口調になり、
なぎさ「うんん、大喧嘩したことはあるよ。ひかりが知らないだけで・・・」
ひかり、目を少し大きくして、
ひかり「えっ! 本当ですか?」
なぎさ「うん・・・」
なぎさ、ちょっと大人びた笑みを浮かべながら、再び天井を見上げる。
ここから、あの第一作「ふたりはプリキュア」第8話の回想が始まるのである。
或る朝、登校時、路上にて。
なぎほの、藤P・木俣が一箇所に会していた。
じゃれ合う藤P木俣を背に、ほのかが、なぎさに、
ほのか「藤村君とお話したかったんでしょ」
なぎさ「なっ!!」
なぎさ、ショックを受け、なりふりかまわず河川敷へと駆け出す。
ほのかも、なぎさに意外な反応をされ、なぜか激しい焦燥感(喪失の危機感)に駆られ、後先考えずなぎさの後を追う。
そして河川敷にて。
なぎさ、追いついたほのかを、いきなり怒罵する。
なぎさ「雪城さんとは、プリキュアっていうだけで、友だちでも何でもないんだからっ!!」
深甚なるショックを受けたほのかの横顔アップ。電車の警笛。ほのかの髪の毛が、電車の風にたなびく。
ゲキドラーゴとの戦闘中。
キュアブラックとキュアホワイト、ゲキドラーゴの攻撃をよけ、後方に下がりながら、
ホワイト「あたしたち、全然違う!」
ブラック「ええ、腹立つくらいね!」
でも、その夜、それぞれの自室にて。
あのプリキュア手帳を読みながら、
なぎさ「雪城さんのことを、もっと知りたい」
ほのか「美墨さんと友だちになりたい」
なぎほの「わたしたちが、ずっとこのままなんて、ありえない・・・!」
ラスト。
河川敷にて。ほのかが、草の上に腰を降ろしたなぎさの隣に立つシーンから。
ほのか「これ、なぎさの・・・」
なぎさ「えっ?」
ほのか「なぎさの、手帳、でしょ?・・・・・・・・・・あの・・・」
ほのか、なぎさがすぐに反応してくれないので、焦るが、初めてファーストネームを呼んでしまったことが恥ずかしくて、なぎさの顔が見られない。
それを見上げたなぎさ、ほのかのガンバリに気づくと、一気に氷が解けたような笑顔を浮かべ、立ち上がるや、パシッとほのかのプリキュア手帳を持った手をつかみ、
なぎさ「いこっ!ほ・の・かっ!」
ほのかにも、至高の笑顔が溢れる。
ほのか「・・・・・うんンっ!」
手と手をつないで、土手の上を高架下のほうへ駆けて行くふたりの後姿には、なぜか満面の笑みが浮かんでいるように見えた。
回想からもとの部屋へと場面が戻る。
ひかり「へえ、そんなことがあったんですか・・・」
なぎさ、天井を見上げながら、
なぎさ「うん・・・」
ゆとりは、しばらく「・・・」と黙っていたが、やがて、
ゆとり「ねえ、なぎささん」
なぎさ「ん?」
なぎさ、ようやく天井から目を離し、ベッドに胡坐を掻いて座るゆとりのほうへ振り向いた。
ゆとり「今すぐその河川敷に連れてってください。どうしてもそこに行ってみたくなりました」
なぎさ「え、これから?」
ゆとり、莞然と、
ゆとり「はいっ!」
なぎさ、ゆとりのせっかちなリクエストに圧倒される。
なぎさ「あ・・・」
路上。
結局、ゆとりの押しに負け、なぎさは、ひかゆとを連れて、問題の場所へと向かって行くのだった。
その道中、なぎさは、さらに、第2作「ふたりはプリキュア マックスハート」第38話のエピソードをゆとりに語って聞かせた。
第2作「ふたりはプリキュア マックスハート」第38話の回想が始まる。
朝の登校時。
なぎさ「パリ?」
なぎさ「それで、ほのかはどうするつもりなの?」
ほのか「なぎさやひかりさんとも離れて暮らすことになっちゃうし、すぐには結論を出せないわ。お母さんたちの気持ちもあるし・・・」
そして、河川敷でのラクロスキャッチボールのシーン。
ほのかが投げた逸れ気味のボールを、なぎさが易々とジャンピングキャッチ。
ほのか「なぎさ、すご〜い!」
・・・
ほのか「ねえなぎさ、ふたりでキャッチボールするのなんて初めてだよね」
なぎさ「・・そうだね!」
ほのか「・・なんか、身体を動かすのって楽しい!」
なぎさ「・・でしょ!」
土手に腰掛けて、心配そうになぎほのを見ていたひかりも、ちょっと安心したようで、
ひかり「・・・よかった・・二人とも元気になって」
と笑んだのであった。
ひかり「ここでしたよね」
ひかりがそう言うと同時に、3人は、話題になっている河川敷の上に立つ。
新参のゆとりは、そこからあたりを眺め渡す。
ゆとり「へえ・・・ここなんですか」
ゆとり視線で、鉄橋、対岸の街並み、そして空が、ゆっくりと映し出される。そのあいだ、3人は沈黙。
・・・・・・・・・このあいだ、BGM「家族愛のテーマ(=「未来を信じて」)」がフルバージョンで流れるのは、言うまでもない・・・・・・・・・
なぜか目を潤ませながら風景を見つめ続ける三乙女。
・・・
「家族愛のテーマ」終了とともに、ゆとりが口を開く。
ゆとり「ここで、ほのかさんとお別れのキャッチボールを?」
なぎさ、ちょっとしんみりと、
なぎさ「うん・・・でも、あのとき、ほのかの気持ちはまだ決まってなかったんだって」
ゆとり「じゃあ、いつパリに行くって決めたんですか?」
なぎさ「それはね・・・」
なぎさは、ゆとりはもちろんのこと、ひかりさえも知らされていなかったなぎほのふたりだけの想い出を、語り出したのであった。