・ 目次 / 第11話「盗まれた想い出」 (前のページ/次のページ) ・
なぎ藤の席。
なぎさの背後から、
美羽「美墨先輩!」
なぎさ、ドキッとして振り向く。
なぎさ「あん?」
なぎさが振り向くと、「えへへ」という顔をして、美羽が立っていた。
美羽「聞きましたよ。雪城ほのか先輩の誕生日プレゼントの話してるって」
なぎさ「ま、まあ、そうだけど・・・」
美羽、ニッコリして、両手を合わせ、
美羽「わたしも混ぜてくださ〜い」
なぎさ「え? いいけど。なんかいい案あるの?」
美羽、えっへん顔で、胸に片手を当てて、
美羽「そりゃもう、わたしは雪城ほのか先輩のことなら、世界中の誰よりもよ〜く知ってますから」
藤P、背伸びしている小さな子供の慢心を、やさしくあやすようににっこりと、
藤P「すごい自信だね」
美羽は、当然といった自信を覗かせて語り出す。
美羽「雪城先輩は、なんでも知ってます。んでもって、あの広いおうちにはなんでもあります。よって先輩に不足しているものといえば・・・」
なぎさ、ちょっと期待するように(不覚にも美羽の話に簡単に乗せられ)、
なぎさ「ものといえばあ・・・?」
そのとき奈緒がなぎさの背後から、叫ぶ。
奈緒「わかった! 彼氏だっ〜!」
なぎさ、ガクッとなる。
他方、美羽は、驚きもせず、
美羽「な〜お、彼氏なら、ここにいるじゃない」
と言いざま、訳知り顔で藤Pを指差した。
なぎさ「いっ!?」
顔をしかめるなぎさ。
奈緒、ノリノリの笑顔で、
奈緒「えええ? 藤村さん? でもさっきアカネさんが、藤村さんは、雪城ほのか先輩の幼馴染だって言ってたじゃん?」
美羽「なに言ってるの。幼馴染は恋人同士になる最短コースなんだよ」
なぎさ、あたふたして、
なぎさ「ちょ、ちょっとお!」
奈緒、意にも介さず、
奈緒「み〜う、遠くの親戚より近くの友だち、っていう言葉を知らないの? 今雪城先輩はパリにいるから、藤村さんは、そばにいる美墨先輩と仲良くしたいんだよ」
なぎさ、ビクッとして、
なぎさ「えっ! な、な、ななな・・・」
さすがの藤Pも気まずさを覚え、矢庭に立ち上がると、
藤P「じゃあ、美墨さん、そういうことだから。俺はこれで帰るよ」
なぎさ、驚く。
なぎさ「ええ〜っ?」
藤P、帰る後姿。
なぎなおみ〜うの3人、立って並んで藤Pが帰るのを見送ったあと、奈緒が口を開く。
奈緒「もっとお話聞きたかったのにな・・・」
ちょっと物足りなさそう。
しかし奈緒、すぐ笑顔に戻り、なぎさに向かって、
奈緒「それで美墨先輩」
なぎさ「ン?」
奈緒「藤村さんとはホントはどうなんですか?」
なぎさ「え? ど、どうって・・・・」
なぎさ、うろたえる。
美羽も悪乗りするように、なぎさの顔を覗き込んで、
美羽「そうそう。どうなんですかあ?」
なぎさ、なおみ〜うの見世物にされているように感じたか、さすがにムカッとなって、
なぎさ「んんん〜〜・・あんたたちっ!」
奈緒&美羽「ひい!」
なおみ〜うは、ついに美墨なぎさ先輩にカミナリを落とされ、首を引っ込めた。
ふたりはこれで、調子に乗ってはしゃぎ過ぎたことをちょっとは後悔したのだっ・・・たのだろうか・・・?
ひかりのポシェットから顔を出したセインフが、そのまま翼を広げてパタパタ飛び出し、
ひかり、一瞬宙を見上げて驚いたあと、こちらへ振り向き、ニッコリ。
ウォッチコミューン
ひかり「明日は朝からお店のお手伝いなの」
セインフ「7時になったら起こしてあげようセイン」
セインフが目覚まし時計に変身。
ウォッチコミューン!
画面の向こうから翼を広げて飛んで来たスワンフ。ゆとり、俊足で追いつき、ステップジャンプして、スワンフの足をつかみ、宙に浮く。ゆとりにっこりサクセスのピース。その直後に、スワンフの足から手を滑らせ、落ちそうになり、慌てふためく表情。
翌日(日曜日)。
なぎさ、ひかりを引き連れて、雪城邸へ向かう。
その道中。
(ひかりは、いつものオフショルダーのシャツ&デニムのロールアップジーンズ。女子高生なぎさの私服は、初披露となる、ブラック(濃紺)のジーンズ(裾はタイト)と白の長袖シャツである。胸には赤色で「Girls, be ambitious!」という文字が入っている)
ひかりが、なぎさに語りかける。
ひかり「藤村先輩が、ほのかさんのおばあちゃんに聞いてみたらって言ったんですか?」
なぎさ「うん。藤P先輩は、ほのかと幼友達って言っても家族じゃないから、知らないことも多いんだって」
ひかり「へえ・・・」
なぎさ「それに、男の人と女の子の趣味は全然違うし、こういうことは女の人に聞いたほうがいいって」
ひかり「そういうものなんですか・・・」
雪城邸到着。
忠太郎、なぎさを見て、嬉しそうに「バウン、バウン!」と二回吼える。
なぎさ、歩いて手を振りながら、
なぎさ「忠太郎、元気? おばあちゃんいる〜?」
忠太郎「バオ!」
なぎさ、笑って、
なぎさ「いるって」
ひかり「へえ、なぎささん、犬とお話が出来るんですか?」
なぎさ、ひかりが真顔で聞くので、ハッとなって、
なぎさ「えっ!? ま、まあね・・ははは」
なぎさ、玄関の外から、さなえさんを呼ぶ。
なぎさ「おばあちゃ〜ん! こんにちは〜」
でも、ドカドカ激しい音で足を踏み鳴らしてやって来たのは、
声「はいは〜い!」
若い声。すなわち、ゆとりだった。
ゆとり、長い廊下を全力で走って来て、飛ぶように玄関に降り立つと、ガラッと激しく戸を開ける。
ゆとりの粗暴な振る舞いに圧倒され、唖然として立ち尽くすなぎひか。
なぎひか「あ・・・あ」
ゆとり「あっ、ひかり〜!」(喜んで)
ひかり「こんにちは」(微笑みながら、うなじを横に傾け、会釈に代える)
ちょっと話が進んで、続き。
なぎさ「え〜、おばあちゃん、出かけちゃってるの?」
ゆとり、ニコニコして、
ゆとり「はいっ! 残念でした〜」
ひかりは、困り顔で、
ひかり「なぎささん、忠太郎が言ってたのは。。。?」
ゆとり、驚いて、
ゆとり「えっ!? ひかり、犬とお話ができるの?」
ひかり、慌てて首を振る。
ひかり「いええ。わたしじゃなくて、なぎささんが」
ゆとり「ええ! 本当ですか。なぎささん!?」
なぎさ、焦りながら、
なぎさ「ひ、ひかり・・・あれは、ジョークだって・・・」
ひかり、キョトンとして、
ひかり「なんだ。そうだったんですか。。。じゃあ、なぎささん、どうしましょうか?」
なぎさ「うん・・・」
今度はなぎさが困り顔に。
ゆとりも、なぎさの様子を見て、真顔になり、
ゆとり「なんかあったんですか?」
結局、なぎさとひかり、ゆとりの部屋までお邪魔し、なぎさ、そこで、事の次第をゆとりに説明(このくだりは省略)。
・・・
ゆとり、ベッドで胡坐をかいて、
ゆとり「ほのかさんの誕生日祝い?」
ひかりは、畳の上に足を曲げて行儀よく座っている。
ひかり「そうなんです」
なぎさは、ゆとりの机付属の椅子、つまり特等席・ほのかの勉強用の椅子に足を組んで腰掛けている。
ゆとり「ふ〜ん・・・」
ゆとり、部屋を見渡した後、
ゆとり「ほのかさんてひと、なんか難しそうな本、いっぱい持ってるから、漫画でもプレゼントして、たまには頭グニャグニャさせなよってカードに書き添える、とか」
なぎさ「ああ、それいい! ・・・でもなあ、それじゃあなんか馬鹿にしてるみたいじゃない?」
ゆとりは、なぎさにアイデアを否定され、なお主張を曲げず、
ゆとり「そうは思いませんけど」
なぎさ「漫画をプレゼントされるなんて、アタシなら、大喜びだけど、ほのかはそういうとこがホントにお堅いから、下手すれば怒り出すかも」
ひかり、苦笑いして、
ひかり「そんなあ・・・」
ゆとりは、「ん〜?」と怪訝な顔で、机の上のほのかの写真をじっと見つめたあと、サバサバと、
ゆとり「なぎささんとほのかさんて、プリキュアだったってこと以外に何か接点あるんですか?」
なんとゆとりは、ひかりでさえ聞いたことがない核心的なことを、何のためらいもなくなぎさに問い質したのである。