■ 第10話「アニメスタジオ見学」

目次 / 第10話「アニメスタジオ見学」 (前のページ/次のページ) ・

【前のページへ】

ラピッドが、甲板にしがみついていたほうの手をついに離してしまい、ルミナスとラピッドは手を繋いだまま落下し始めた。
ルミナス&ラピッド「キャアアアア!
リバーサスは、下方へ落ちていくふたりを見下ろしながら、不敵に、
リバーサス「はははっ!これでおしまいだ。あとはシスター・シーズンの出番を待つばかりだな」
落下しながらラピッドが、懐に入ったスワンフに、
ラピッド「スワンフウウウ! 飛んでえええ!」
ところが、スワンフ、絶望の声で、
スワンフ「だめなのスワン! さっきミルキーウェイシップまで上昇するので、すべての力を使い果たしってしまったのスワ〜ン!」
ルミナスも、セインフに、
セインフ「セインフウウウ! お願いいいいっ!」
しかし、セインフも無念といった声で、
セインフ「ううう。それがもうダメなんだセイン・・・!」
ルミナス「えっ!?・・・そ、そんなあ・・・」
希望を失いかけたルミナス。しかしそのときだ。
ルミナスの体から、シャイーンと眩しい光が発せられた。
ルミナス「えっ!?」
ラピッドも驚く。
ラピッド「ルミナス・・・!」
リバーサスも見下ろしながら、驚きの表情になり、唸るように呟く。
リバーサス「んん? あの光は! 光のクイーンのっ・・・!?」
そのようなリバーサスの怪訝(かいが)をよそに、ルミナスの全身から輝き出した光は、やがて、繋いだ手を伝って、ラピッドの体にまで広がって行ったのである。
ルミナスの光を一身に浴びたラピッドは、とたんに息を吹き返し、「ンッ」と気合を込めると、ものすごき光速(高速)で、ルミナスを連れて甲板上へ戻って来た。そして、ルミナスをデッキ上に置き残すと、そのまま勢いに乗って、リバーサスに襲いかかる。
ラピッド「たあああ!」
リバーサス「グオオオオ!」
たちまちリバーサスを蹴倒す。リバーサスは、ガラガラッと木樽に頭を突っ込んで行った。
その直後、ラピッドは、リバーサスを追うことはせず、スタッとデッキに着地すると、やおら片足を上げ、天に向かって顔を上げるや、右手を顔にかざすようにして、光ったまま左回り(時計の逆回り)にスピンを始めたのである。
まるで憑かれた者が、無意志・無意識のうちに動作させられているかのように、ピルエット(バレエの回転のようなスピン)を無言無表情で続けるキュアラピッド。
周囲は、敵も味方も、何が起こっているかわからず、ただ口を開けて、ラピッドの旋回に注目するよりほかなかった。
スワンフ「これは!」
セインフ「どういうことだセイン!?」
リバーサス「むう」
リバーサスも、倒れ込んだまま、何が起こっているのか、訝りながらラピッドを見る。
ルミナスは、ひたすら驚いて声も出ない。
ルミナス「hua・・・!」
そのときセインフが叫んだ。
セインフ「ルミナス、あれを見るセイーン!」
ルミナス「えっ!?」
ルミナスが、セインフに言われるがまま、船の下を見下ろすと、なんと下界の闇が徐々に晴れ、昼に戻って行くのが上から一望されたのだった。

・第14幕

アニメ制作スタジオ内。
いつのまにか時計が元の時刻に戻っている。スタッフたち、それに気づく。
スタッフA「あれ、おかしいな、やっぱりまだ昼だ」
スタッフB「とにかくよかった。これで締め切りに間に合いそうだぞ。さあ、仕事の続きだ!」
スタッフA「お、おう」
A&B、異変への気懸かりよりも、ともかく仕事がうまく行きそうなことへの安心から、気合を込めて、デスクに向かい直し、それぞれの作業を再開。
背後のなおみ〜う、呆気に取られ、デスクのスタッフを見遣りながら、
美羽「どうなってんの?」
奈緒「さあ・・・でも、よかったジャンジャン」
奈緒も安心したのか、呆気に取られながらも、いつもの口癖が自然に出るのであった。

・第15幕

社長室。
奈緒の父、ブラインドの隙間から外を見る。昼に戻っている。
父、目を擦りながら一人呟く。
父「目薬、買ったほうがいいかな?」

・第16幕

ミルキーウェイシップ甲板上。
ギューンとスピンしていたラピッドが、ピタッと止まる。
すると、ラピッド、上げていた片足をデッキにスッと下ろし、閉じていた目をカッと見開いた。ラピッドの体はまだシャインシャインと発光している。
他方、セインフの掛け声から、リバーサスもまた、下界が昼に戻っていることに気づき、下界を望み見て、その事実に、いつにないほど動揺した様子を見せる。
リバーサス「うぬぬうう〜・・・!」
リバーサス、ラピッドのほうへ向き直り、
リバーサス「きさま、ま、まさか・・・」
我に返ったようになったラピッドが、
ラピッド「ルミナス、行くよ!」
と積極的に必殺技の指示を出す。
ルミナス「はい!」
こちらもまだ余光を出し続けているルミナス、パチッと手をつなぐ。
ところが、リバーサス、ルミナスとラピッドの異変に動転し、戦うどころではなくなっていた。
リバーサス「たあっ!」
なんとリバーサスは、慌てて退散して行ったのだった。
ルミナス「え?」
ラピッド「帰っちゃった・・・?」
ここでルミナスとラピッドの発光が収まる。そのとき、ふたりの握った手の中に、何かがあることに気づく。見てみると、それは、シーズニーラピス。
ルミナス「どうして、シーズニーラピスが?」
ラピッド「ムカツキーを倒した後にしか残らないはずのものなのに・・・」
セインフ「確かに、シーズニー・ラピスは、ナラクーダの敵を倒したとき、やつらに乗っ取られた十二の季節の島から取り戻される鍵だセイン」
スワンフ「でも、このシーズニー・ラピスは何か違うのスワン。敵を倒したわけでもないのに、手に入るなんてスワン・・・」
セインフ「ルミナスとラピッドの潜在能力がぶつかり合って、ふたりの間に新たに生み出されたのかもしれないセイン」
スワンフ「だけど、シーズニーラピスを自分で作り出せるのは、シスター・シーズンしかいないはずなのスワン。どういうことかしらスワン?」
セインフとスワンフのその謎めいた発言を聞いて、ルミナスとラピッドは、神妙そうに顔を見合わせた。
L&R「e?・・・」

【次のページへ】

目次 / 第10話「アニメスタジオ見学」 (前のページ/次のページ) ・