・ 目次 / 第10話「アニメスタジオ見学」 (前のページ/次のページ) ・
ふたり、スタジオ外の路上に出る。完全に夜だ。
驚くべし、目の前にすでにリバーサスが立って待っていた。いつものゼロ時計帽章つき三角帽子と、黒光りするマント(とんび風)を羽織って、腕組みしている。
ひかゆと、ハッとなって、一歩後じさりしながら、
ひかりは、震え、
ひかり「あ、あなたが時の流れを乱したんですか!?」
リバーサス、何も答えず、ニヒルな笑いで、そうだ、と意思表示。
リバーサス「hm・・・」
一方ゆとりは、憤然となって、キッと眉を吊り上げ、今度は足を一歩前へ踏み出すと、こぶしを握り締めながら、
ゆとり「早く!もとの時間に、戻してくれる!?」
リバーサス、なおニヒルに笑みながら、
リバーサス「ほう、これは驚いた。いつもは時が流れるのを喜んでいるくせに、流れが速すぎると急に焦り出す。お前らときびとの庭の住人は、時間に追われてあくせくしながら生きるのが幸せじゃないのか?」
ひかり、声を震わせながら、ギリギリの反発。
ひかり「時は、優しく、ゆっくり流れるからいいんです。わたしたちは、時間に追われるために生きているんじゃ・・・ありません・・・」
ここで、隣のビル内のスタジオで、てんてこまいしながらも、ノルマをこなすべくデスクで仕事に邁進するスタッフらの姿が挿入される(たぶん、ひかゆとの心内イメージ)。
ゆとりは、猛烈に反発。
ゆとり「そうよォっ!あなたが時間を速めたせいで、大事なお仕事の締め切りに間に合わなくなって困ってる人たちが、ここにいるのよ。早く元に戻してっ!!」
ゆとり、「ここにいるのよ」と言うとき、握りこぶしを解きながら、アニメスタジオのあるビルをビシャッと指差す。
リバーサス「ふん。締め切りなどといって、勝手に時を切り刻んで生きているから、こういう目に遭うのだ」
ゆとり「なんですってええ!」
リバーサス「それに、俺には、時を狂わせ、止める力はあっても、一度狂い出した時の流れを元に戻す力はない」
ひかり、不安な表情を強め、哀しそうに、
ひかり「え?じゃ、じゃあ、どうすれば・・・」
リバーサス「その力を持っているのは、この世でただ一人、時の主シスター・シーズンだけだ」
ひかり「シスター・シーズン・・・」
リバーサス「時の流れを元に戻したければ、シスター・シーズンに出て来てもらうことだな」
ゆとりは、リバーサスの思わぬ回答に惑わされ、当初の威勢を殺がれながらも、なんとか自ら気を奮い立たせるように、
ゆとり「そ、そんなこと言ったって、そのひと、どこにいるのよ!」
リバーサス、ニヤつきながら、組んだ腕をほどき、スッと下へ下げる。
ゆとり、警戒して、歯を食いしばる。
ゆとり「んッ!」
そのとき、隣のひかりの懐で、セインフが、
セインフ「あああ!」
ひかり「え、なに?」
セインフ「あれを見るセインンン!」
そう言いながら上を見上げるセインフに促され、ひかりは、上空を見上げる。
ひかり、驚く。
ひかり「ゆとりさんっ!あれえっ!」
ゆとり、ひかりに促されて、同じく上空を見上げる。
ゆとり「え?・・・あ、あれはっ・・・!」
巨大なるミルキーウェイシップが上空を航行していたのである。
セインフ「シスター・シーズンの力がまた働き出したんだセイン」
スワンフ「ひかり、ゆとり、すぐ変身するのスワン!」
ひかり&ゆとり「うん」
ひかり&ゆとり「ツーショット・ハーモニック・レイディエーショオオオン!!」
*お互いのコミューンをお互いに向けて或るボタンを押す(ツーショット)。
すると、互いのコミューンから光線が放射され(レイディエーション)、ひかりの光線はゆとりに光の輝きのパワーを、ゆとりの光線はひかりに光の速さのパワーを互いに送り、それぞれに不足するパワー素を補い合い、「ふたりはプリキュア」へと、互いに互いを高め合う(ハーモニック)のである。
ルミナス、シャイニールミナス風に両手を広げ、髪の毛をたなびかせながら、
キュアルミナス「とわに煌めく光輝の使者・キュアルミナスッ!」
ラピッド、ホワイトのバンダナをたなびかせ、胸の前に両腕を交叉させ、両こぶしグーで、ボクシングのガードのようなポーズを取り、
キュアラピッド「とわに駆け巡る光速の使者・キュアラピッドお!」
ふたりともそれぞれそのままのポーズで、並んで映し出され(ルミナスが右、ラピッドが左)、
ルミナス&ラピッド「ふたりはプリキュア!」
さらにラピッド、一回転して、胸のところでグッとしていた腕を突き出し、ビンと指差す(夏京の贋プリキュアの指の突き出し方参照)
ラピッド「時の流れを捻じ曲げるあなたッ!」
ルミナスは、シャイニールミナスのように広げていた両の手を、交叉させるように胸に柔らかく宛がい、うつむき加減になって両目を一瞬聖母のように閉じたあと、碧眼の瞳をカッと見開いて正面に向き直り、毅然とした落ち着きのある、しかし優しい声音で、
ルミナス「素直な心にお戻りなさい!」
すると、セインフとスワンフがそれぞれ光り始め、同時に叫ぶ。
セインフ&スワンフ「いざ行かん、ミルキーウェイシップへ!」
そう叫んだセインフ&スワンフは、L&Rの懐からそれぞれ飛び出すと、バサバサッと比翼を広げ、中空を旋回するように飛び始めたのだった。
ルミナスとラピッドは、ひたすらそれを見上げている。
ルミナス&ラピッド「あ・・・」
ほどなく、セインフとスワンフは、急降下して来て、すごいスピードで、いったんルミナス&ラピッドの脇をよぎって離れると、むしろリバーサスに正面衝突しそうになる。
リバーサス「むッ?」
しかし、セインフ&スワンフは、リバーサスの目前でまた急上昇を始め、リバーサスを避けると、宙返りするように、クルッと回転して、低空飛行を開始。
そのまま、電車道のようにルミナス&ラピッドのほうへ突っ込んで来ると、セインフはルミナスの、スワンフはラピッドの足元を掬うように、背中へヒョイッと載せる。
ルミナス「ああっ!」
ラピッド「うっ!」
ふたりを乗せたセインフとスワンフは、そのまますごい速さで上空に昇る。
ルミナスもラピッドも、目をつぶってしがみついているのがやっとだ。
ラピッド、一瞬目を開けて、下界を見たとたん、変顔になり、
ラピッド「あ、あたしっ、高所恐怖症なのにいい!」
しかし、セインフもスワンフも黙ってそのまま飛翔し続け、一気にミルキーウェイシップの甲板へ到達。
眼下にいたリバーサス、ルミナス&ラピッドがミルキーウェイシップに乗り込んだのを確認すると、
リバーサス「今度こそ引きずり出してくれるわ、シスター・シーズン!」
そう叫んで飛び立つ。
ルミナスとラピッドが、甲板に立ったところで、リバーサスもシップの甲板へ飛び乗る。
スタッという足音に、リバーサスの気配を感じ取ったふたりは、同時に後ろへ振り返った。
両者対峙。
ルミナス&ラピッド「んっ・・・」
リバーサス「シスター・シーズンを直接引っ張り出すには、お前たちを窮地に立たせるのが一番手っ取り早いようだな。覚悟はいいか」
ルミナス&ラピッド、グッと身構える。
リバーサス「行くぞ!」
リバーサス、全力で突っ込んで来る。
リバーサス「ダアアア!」
リバーサスの気合の入りようはいつもの比ではない。スピードも格段に違うようだ。
プリキュアのふたりは、これを避けきれず、バシッビシッという衝突音と共に、
ルミナス&ラピッド「あああ!」
ふたりとも、あっという間に弾き飛ばされる。
ラピッドは、マストにガウンと背をぶつけてしまう。
ラピッド「あっ!うっ!ううう・・・」
一方、ルミナスは宙を舞った後、落下し始めたところだ。
ルミナス「キャアアアア!」
ラピッド「ルミナス!」
ルミナスは、そのまままっ逆さまに船の下へ落下しそうに。
ラピッド「くっ!」
ラピッド、俊足を飛ばして、船の端まで行くと、片手で甲板にしがみつき、もう一方の手で、ルミナスの手をパシッとつかむ。
ルミナス「ラピッド!」(上から手をつかむラピッドを見ながら、気遣うように)。
ラピッドは、声で答えられないものの、必死の形相の中にもフッと笑みを浮かべると、再び必死の形相で、ルミナスを引き上げようとする。
ラピッド「うううっ!」
そこへマントに身を包んだリバーサス、ゆっくり近づいて来る。
リバーサス「さあ、ふたりまとめて奈落の底へ落ちてもらおうか」
ラピッド「くっ!」
リバーサス「それとも、雲隠れしているシスター・シーズンが、お前たちを助けに現れるというのか?」
ラピッド、ふんばる。ルミナスが下から心配そうに、
ルミナス「ラピッド、だいじょうぶ?」
ラピッド「くううっ」
が、ラピッドの握力が徐々に弱まり、ついに落下してしまったのである。
ルミナス&ラピッド「キャアアアア!」