・ 目次 / 第10話「アニメスタジオ見学」 (前のページ/次のページ) ・
学校は休日。晴れ。デラタコカフェ。
ひかり、落ち葉を掃いてちり取りに入れている。
もう暖かくなって来て、ひかりは腕まくりだ。
目の前を蝶が通り過ぎる。
ひかり、一瞬、ハッとなって見ていたが、すぐ笑顔になって蝶を見送り、またちり取りのほうへ目を下げて、掃除に戻る。
懐のポーチから顔だけ出したセインフが、ひかりに、
セインフ「ひかり、今日くらいお店のお手伝い、休むセイン」
ひかり、箒で掃除を続けながら、笑んで、
ひかり「でも、出かける前に、少しでも手伝っておきたいの」
セインフ「ひかりは働き者だセイン。でもちょっと働きすぎかもセイン」
ひかり、働きながら、
ひかり「好きだから働きすぎだなんて思わないよ。時間も気づかないうちにあっというまに過ぎて行くし・・・いつも足りないくらい」
セインフ「hoo・・・?」
セインフ、ひかりの仕事熱心は、なかなか理解できないらしい。
セインフ、話題を変えるべく、
セインフ「なんにしても、もうすぐスワンフに会えると思うとワクワクするセイン」
ひかり、その意味を理解したように、優しく微笑んで、
ひかり「ふふ。よかったね」
ひかり、前回の回想。
ひかり<奈緒のお父さんの雑誌の取材があって、生科部で百人一首の競技をした。ゆとりさんがすごく上達してて、びっくりしたなあ。わたしは、別に勝ち負けにこだわってなかったけど、ゆとりさんはそうじゃなかった。一緒に同じ遊びをしてても、お互いに全然違う方向へ流れて行っちゃうことってあるんだな。でも、またいつか流れがどこかで重なるまで、それぞれ違っててもいいのよね>
そのとき、アカネさんに急に声をかけられる(ひかりの回想終わり)。
アカネ「お〜い、ひかりィ〜」
ひかりが振り向くと、タコカフェビーグルのところで、アカネさんが手を振っている。
ひかり「あ、はい!」
ひかりがビーグルまで向かおうと歩み出す前に、ビーグルの陰から、ゆとり、奈緒、美羽が姿を現す。
みんな笑顔だ。
ひかり「あ」
ひかりも、立ち止まって、途端に笑顔になる。
来てねデラタコカ〜フェへ プリキュアメニューでたっぷり召し上がれ イエイ!
いつも嬉しい帰り道♪
デラタコカフェダイナー!
ウォッチコミューン
ひかり「明日は朝からお店のお手伝いなの」
セインフ「7時になったら起こしてあげようセイン」
セインフが目覚まし時計に変身。
ウォッチコミューン!
引き続きデラタコカフェ。
ゆとり、奈緒、美羽が現れ、ひかりと挨拶。
ゆとり「ひかり、迎えに来たよ」
ひかり「みんな、おはよう」
奈緒、元気よく、
奈緒「おっはよう、ひかり!」
美羽は、落ち着いた感じで、
美羽「ひかり、おはよう」
すると、背後から奈緒の父も現れる。前回同様、茶のジャケットにカラーワイシャツ、厚みのあるブラウンのネクタイという業界人風。顎鬚もある。
ひかり、ハッとしながらも、笑顔で、
ひかり「あ、このあいだはどうも」
と軽く会釈。
父、穏やかな笑顔で、
奈緒父「その節はどうもありがとう」
アカネさんが、この父のほうへ向いて、
アカネ「お父さん、今日はひかりのこと、よろしくお願いします」
とまた軽く会釈。
父「いえ、こちらこそ、取材をさせてもらったお礼を何かしなくちゃと思ってたら、ちょうど次の取材先がアニメの制作現場になったので、見学を兼ねてみんなをそこに招待すれば喜んでもらえるかなと思いましてね」
奈緒、喜びの笑顔で、
奈緒「お父さん、グッドアイデアだよ!」
美羽「アタシも一回行ってみたかったんだ〜、アニメ作ってるとこ」
ゆとり「アタシは声のほうをしてみたいな」
みんなすっかり遠足気分で、行く前からいろいろと想像を膨らませている様子。
ひかりも彼女たちのはしゃぎようを微笑んで見ていたが、ちょっとだけ疑問顔に変わって奈緒父に、
ひかり「でも、アニメって、昔ながらの伝統的遊びなんですか?」
父「ああ、確かにアニメはテレビが出来る前にはほとんどなかったけど、それでも最初にテレビアニメが放映されてから、もう半世紀近く経ってるからね。今じゃ立派な伝統的娯楽だと思うんだよ。それに、その世界には、時間をかけて受け継がれて来た貴重な技術もあるしね」
ひかり、納得の表情で、
ひかり「そうなんですか」
奈緒がナイーブな笑顔で、
奈緒「お父さん、ネタ探しに必死だから」
父、笑顔で、
父「こら、奈緒、いらんことを言うな」
奈緒、舌を出して、
奈緒「あ〜、ゴメン」
父「じゃあ、そろそろ行こうか」(みんなを見て)
4人、元気よく笑顔で、
4人「はいっ!」
第10話「アニメスタジオ見学」!
一同、奈緒父のワゴン車に乗って、アニメスタジオに向かっている。
助手席に奈緒。後部座席に、美羽、ひかり、ゆとりの並び順に。
ゆとりのバッグの中で、セインフとスワンフが密会。
セインフ、嬉々として、でもヒソヒソ声で、
セインフ「スワンフ、会いたかったセイン」
スワンフも好意的な笑顔で、
スワンフ「スワンフもなのスワン」
セインフ「え? ホントセイン?」
セインフ、スワンフが意外なほどいい反応を示したので、喜びながらも驚いている。
スワンフ、笑顔のまま、
スワンフ「そろそろミルキーウェイシップが第3の島・やよいヶ島に近づく頃なのスワン。なるべく一緒にいたほうがいいと思うのスワン」
セインフ「え? そういう意味かセイン?」
セインフ、たちまち肩を落としてしょげる。
スワンフ、無神経に笑顔のまま、
スワンフ「他にどんな意味があるのスワン?」
セインフ「特にないですセイン・・・」(しょんぼり)
一方、ひかゆとたちの会話。
まずゆとりがハキハキと、
ゆとり「美羽、一年生のふたりは?」
美羽「ちょうど今日、林間学校なんだって」
ゆとり「そうなんだ」
美羽「あの子たち、来られなくて超くやしがってたよ」
ひかりも笑顔で、
ひかり「でも、林間学校も楽しそう」
美羽、嫌味な顔で、
美羽「そう。あんなにアニメスタジオ一緒に来たがってたくせに、どうせ今頃はあたしたちのことなんか忘れて、山でキャーキャー騒いでるに違いないんだから」
ひかり、苦笑して、
ひかり「そのほうがいいかも・・・」
美羽、清々した表情で、
美羽「まあ、どっちにしてもあの子たちが一緒に来てたら、スタジオで騒いでスタッフの人たちに迷惑かけそうだし、林間学校はグッドタイミングだったかもねー」
助手席の奈緒、振り向いて、
奈緒「言えてる、言えてる。第一、車、これだけでも定員一杯だよ」
奈緒父、運転しながらちょっと諭すように、
奈緒「おいおい、そんなお荷物みたいに言うもんじゃないよ」
ゆとり、笑顔で、
ゆとり「ていうか、わたしたちも十分お荷物ですけどねー」
奈緒「お、ゆとり謙遜? 意外とおとな〜」
ゆとり、おどけながら抗議、
ゆとり「え〜、意外って・・あたしは前からおとなだよ〜」
奈緒もおどけて反論。
奈緒「そうだったんだ? じゃあゆとりが一年生のお子様たちと替わってあげたらよかったのにねー。アニメは子供が見るものだよ〜」
ゆとり「別にアニメ楽しむのに、子供もおとなもないよ。(奈緒父に)ね、お父さん!」
奈緒父「ああ、もちろんだよ。いい作品なら、世代は関係なく楽しめるものだよ、アニメは。大体、アニメが子供だけのものだったら、お父さんも行っちゃいけないってことになるだろ? なあ、奈緒? お父さん、今すぐUターンして帰ろうか」
奈緒、焦って苦笑い。
奈緒「あ、ウソウソ。前言撤回しま〜す。アニメはおとなが楽しんでも一向にかまいませ〜ん」
美羽、苦笑して、
美羽「な〜お、調子よすぎ」
一同クスクス笑い。
一同「ふふふ」