■ 第9話「百人一首カルタ取材」

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● アバン

・第1幕

夜、ひかりの部屋。
ひかりが百人一首の札を読み上げ、ひかるとセインフがカルタ取りに興じている。
ひかり「あまつ風〜雲のかよひ路吹きとぢよ〜乙女のすがたしばしとどめむ〜」(玲瓏と朗詠)
ひかる「んんん」(一所懸命探す)
セインフも焦った様子で、
セインフ「『乙女』セイン、『乙女』セイン。これを取ったらセインフの勝ちだセイン」
ひかり、セインフたちを見ながら前回の回想。
生科部でみんなと百人一首をしていたシーンが、今しているカルタ遊びとダブる。


ゆとり「めぐり逢ひて・・・」(リズムなく単調に)
ひかり「はい」(押さえ手で優しげに取る。二本の指先を滑らせるように札の上に軽く載せ、テーブルを叩く音がほとんどしない感じ)
ゆとり「え?もう?」
ひかり、取った札を読む。
ひかり「雲隠れにし〜夜半の〜月かな〜」(抑揚をつけて朗詠)
ゆとり、手にした読み札をたどたどしげに読んで、確認してみる。
ゆとり「えっとお、めぐり逢ひて・・・見・し・やそれ共分ぬまに・・・雲隠れにし夜半の月かな。正解。すご〜い」
ゆとり、ひかりのほうへ向いてポカンとした顔で驚く。


ここで回想中のひかり、我に返って、
ひかり「あッ、あった・・・」
と呟く。
ひかり自らが『乙女・・・』の取り札を見つけたのだが、しかし、ひかりは、取ろうとしない。
ひかりのつぶやきは、ひかるとセインフにしっかり聞こえていて、
ひかる「お姉ちゃん、どこ?」
ひかり「すぐ近くよ。よ〜く見てごらん」
ひかる、首をクイクイ動かしながら、足元を前後左右に見回し、
ひかる「どこ、どこ?」
そのときセインフ、急に大声で、
セインフ「あああーッ!見つけたセイ〜ン!」
と言ってセインフ、ひかるの足元へ飛びつく。
ひかる「ええ〜!?わああっ!」
ひかるは、驚きながら、セインフの飛びつく方向へ、ほとんど条件反射で手を伸ばす。
ひかるとセインフ、同時にそれを取る。
ひかる、ぶっきらぼうに、
ひかる「僕が先だよっ!」
セインフ、怒り顔で、
セインフ「何言ってるかセイン。僕のほうが一瞬早かったセイン。それにひかるは、ひかりにヒントを教えて貰ってたから、セインフにハンデがあるんだセインっ!」
セインフ、そう言って札をひかるの手からひっこ抜こうとする。
しかしひかるも負けずに札を握り続け、ぶっきらぼうな調子で、
ひかる「そんなの関係ないよ。僕の勝ちだ」
セインフ、憤怒して、
セインフ「いいや。セインフの勝ちセイン」
ひかり、苦笑しつつ、
ひかり「あの〜・・・」
ひかりは、ふたりの仲裁も出来ず、途方に暮れるしかなかったのだった。

● OP

ミ〜ルキーウェ〜〜〜〜〜イ!
プリッキュア、プリッキュアァ♪♪
プーリキュッアッ、プーリキュッアッ、プーリキュッアッ、プーリキュッアッ!
プ〜リティーでえ、キュ〜アキュッアァ、ふ〜たり〜はッ〜プリッキュアアアアア!!
二度あるこーとは、三度目〜もー、ぶっちゃけありえるう!
セーラーふーくのふたーりーは〜むちゃくちゃなかよしぃ
お互い〜じーかーんを〜 飛び越えるーたびぃ
キラリィ、かがやァ、くよねえええ〜〜〜〜〜〜〜、ウイッ!
Your Pace My Pace 進んでーるから つまづいたってIN じゃない?
災い転じて福とな〜すでしょ トラブルだってットラベル!
と〜きーのー流れ〜 泳いでおーもい切り〜
もっとグングンッ!
プーリキュッアッ、プーリキュッアッ、プーリキュッアッ、プーリキュッアッ!(Be close step by step!)
プ〜リティーでえ、キュ〜アキュッアァ、ふ〜たり〜はッ〜プリッキュアアアアア!!
プリッキュア、プリッキュアァ♪♪
ミ〜ルキーウェ〜〜〜〜〜イ!

● CM

ウォッチコミューン。
ゆとり「3時のおやつだ!」
スワンフ「ふあああ!3時は3時でも、夜中の3時なのスワ〜ン」
スワンフが、正しい時間を教えてくれる。
ウォッチコミューン!

● Aパート

・第2幕

デラタコカフェ。
ひかり、奈緒と美羽の席にたこ焼を二人前運び、ちょうどテーブルの上に置くところ。
ひかり「はい、お待たせしました」
私服(アメリカ海軍セーラー服)の奈緒、無邪気に喜んで、
奈緒「来たね、伝家の宝刀!」
私服(カーデガンに丸首のセーター、下は花柄ミニスカート)の美羽、ひかりに同意を求めるように、
美羽「デラタコカフェ、いろいろメニュー増えたけど、やっぱり基本はたこ焼きよね」
ひかり「それ聞いたら、アカネさん、すごく喜ぶよ」
そう言っている先から、アカネさんが現れ、
アカネ「お水のお代わり持って来たよ」
と言って、水をテーブルに置く。
奈緒「あ、ありがとうございます、アカネさん。それでさあ、ひかり、さっきの話だけど、どう?」
ひかり「うん、わたしはかまわないよ。でも、最終的には部長の美羽が顧問の先生に報告して決めることだし」
ひかり、そう言いながら、視線を奈緒から美羽のほうへ変える。
美羽、ひかりに応じるようにすぐ口を開き、
美羽「わたしは問題ないと思う。顧問の桜井先生も絶対オーケーしてくれるよ」
アカネさん、背後から疑問顔で、
アカネ「なんの話してんの?」
奈緒、アカネさんを見上げて、活発な感じで、
奈緒「アタシのお父さん、新聞記者だったんだけど、今新聞社やめてミニコミ誌を発行してるんですよ」
アカネ「へえ、どんな?」
奈緒「駅前とか商店街とかに置いてあるタウン誌です。ほら、文化教室とかアルバイトの募集とかたくさん出てる薄いパンフレットみたいなやつ」
アカネさん、合点が行ったような緩んだ表情になり、
アカネ「ああ、アタシも学生時代に、バイト探しでよくお世話になったよ。へえ、奈緒のお父さんてジャーナリストだったんだ。すごいじゃない」
奈緒、ちょっと照れて、
奈緒「いや〜それほどでも。(すぐ元に戻り)で、最近その情報誌で、昔ながらの伝統的な遊びの連載特集っていうのをしてて」
アカネ「へえ」
奈緒「お父さん、新聞記者してたころの地元のネットワークを使って、若葉台で独楽を作ってる職人さんを取材したり、竹馬の会に入って自分で体験してみたり・・・」
独楽職人の映像や、竹馬に乗る奈緒父が映る。ただし父の顔はまだ出さない。
奈緒の顔に戻り、
奈緒「もう結構いろんな遊びを紹介して来ちゃってて」
アカネ「へえ、さすがジャーナリストはフットワークが軽いね」
奈緒「でも最近新しいネタがなくて困ってたみたいで」
たこ焼きを食べる美羽、それを笑顔で見るひかりを映しながら、
奈緒「だから、このあいだ、学校の生科部で百人一首したことを話したら、ぜひそれを取材させてほしいって言い出しちゃったんですよねー」
アカネ「ああ、そういうこと。それで、言い出しっぺのひかりに確認求めてたってわけね」
アカネさんがそう言いながらひかりに視線を向けると、ひかり、神妙そうな顔になり、
ひかり「奈緒のお父さんのお仕事のお役に立てるなら、すごくうれしいんだけど、取材って、どんな感じでするものなのかわからないのが、ちょっと不安。百人一首だって、そんなに本格的にしてるわけじゃないし」
美羽「そうよね。あたしたちがカルタしてるところを撮影するにしても、あんな家庭科教室じゃ、それっぽい雰囲気出ないしね」
奈緒、活発そうに、
奈緒「そこは、お父さんに任せてよ。プロなんだから。じゃあわたしから顧問の桜井先生に言うね」

● サブタイトル

第9話「百人一首カルタ取材」!(ひかゆとの声)

・第3幕

ナラクーダ。
キャプテン・ニヒルーザ、甲板に立ったまま釣りをしている。釣り糸を上げてみるが、何も引っかかっていない。
そこへ背後からリバーサスが現れる。
リバーサス「ん?キャプテン・ニヒルーザ・・・」(ちょっとたじろいだ様子で)
ニヒルーザ、振り返らないで、手にした釣り針を見つめたまま、
ニヒルーザ「なんだ・・・?」
リバーサス「な、なにをしておいでで?」
ニヒルーザ「見てわからぬか?釣りだ」
リバーサス「釣り・・・。しかし、ナラクーダの虚無の海には生き物などいないはずでは・・・」
ニヒルーザ、餌をつけて、また釣り糸を海中に沈めながら、
ニヒルーザ「ああ、おらん」
リバーサス、いよいよ怪訝な表情で、汗までかいて、
リバーサス「では、一体何を釣っているので・・・?」
ニヒルーザ「生き物がいないことを確かめているのだ。いつのまにかシスター・シーズンが時の流れをここにまで及ぼしていたら大変だからな」
リバーサス、一応承服したといった様子で一呼吸置き、
リバーサス「なるほど・・・しかし、キャプテン・ニヒルーザ」
ニヒルーザ「ん?まだ何か質問か?」
ニヒルーザ、ようやく顔半分を、リバーサスのほうへ向ける。
リバーサス、大いに躊躇いながら、
リバーサス「いえ、その〜、退屈、ではないのですか?」
ニヒルーザ、しばし(4秒ほど)沈黙静止ののち、ボソリ
ニヒルーザ「・・・むろん、退屈だ」
ニヒルーザ、そう答えると、また海のほうへ向き直り、釣り糸を上げてみる。
ニヒルーザの手にした釣り針には、むろん、何も懸かっていない。
リバーサス、背後で、言葉を失っている。
リバーサス「う・・・

・第4幕

ゆとりの部屋にて。
スワンフが読み手となって、ゆとりが百人一首カルタの練習中。
スワンフ「春の夜の夢ばかりなる手枕に・・・」(舌足らずだが、なかなか可愛らしい読み方で)
ゆとり「はい!」
ゆとり、すごい勢いの払い手でその取り札をバンと宙に飛ばす。
それはそのままスワンフの頭を直撃。
スワンフ「痛いのスワン!」
ゆとり、頭を掻きながら、苦笑いを浮かべ、
ゆとり「あ、ごめんごめん、つい勢い余っちゃって」
スワンフ、困惑顔のまま、足元に落ちたその札を取って、詠む。
スワンフ「かひなくたたむ名こそ惜しけれ〜スワン」
スワンフ、その直後、読み札と取り札を見比べて、急に表情を緩め、
スワンフ「正解なのスワンッ!ゆとり、すごく早くなったのスワン」
ゆとり、自信ありげにニッコリして、
ゆとり「へへ、さ、早く。次行って次」
スワンフ、ゆとりの進捗ぶりに喜悦するのもつかの間、ゆとりに続行を急かされ、すぐ手にした読み札に視線を落とし、
スワンフ「え、ええと、瀬を早・・・」
ゆとり「来た!」
ゆとり、そう叫ぶと、激しい払い手で札をメンコのようにはたいて宙に舞わせ、落ちて来たところを、パシッと巧みにワンハンドキャッチ。
スワンフ「スワン!?」(唖然)
ゆとり、にんまりした表情で、札をスワンフに示しながら、
ゆとり「へへへ〜」
スワンフ、困惑して、
スワンフ「<瀬を早>だけでわかるのスワン?」
ゆとり「だって、私の名字の早瀬だもん。一番に覚えちゃったよ。われてもすゑにあはむとぞおもふ、でしょ?」
スワンフ、また喜んで、
スワンフ「当たりなのスワンッ!ゆとりは、もう誰にも負けないと思うのスワン」
スワンフに太鼓判を押され、ゆとり自身、それを全く否定せず、自信ありげに自ら次のように補足したのだった。
ゆとり「そう、ひかりにもね・・・」

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