・ 目次 / 第7話「海洋博物館」 (前のページ/次のページ) ・
格闘。
砂時計ムカツキー、砂を吐き出し、砂の嵐で撹乱。ルミナスとラピッド、なかなか近づけない。
ラピッドが、
「タアアアア!」
と蹴りを入れに行っても、風圧で押し戻されてしまう。
ラピッド「キャアアア!」
一方、ルミナス、横っ飛び大車輪で、砂攻撃を、
ルミナス「はっ!やっ!」
とよけていたが、或る場所で、ズポッと足が砂にめり込んでしまう。
ルミナス「あっ!」
ムカツキーの砂弾が容赦なく襲って来る。ルミナスがどんどん砂の山にうずもれて行く。
ルミナス「ウウウッ!」
傍らで戦闘を見ていたひかるが我が姉の危機に動揺し、
ひかる「ああ、お姉ちゃ~ん!」
リバーサス、ようやくひかるの存在に気づき、
リバーサス「ん?なんだ、その小僧は。ただの人間ではなさそうだな・・・ようし、ムカツキー、そいつもまとめて時のタイムカプセルとやらに埋めてしまえっ!」
ムカツキー、ひかるに向けて、砂のアラシを吹き付ける。
ムカツキー「フ~カツキー!!」
顔以外が砂に埋まって身動きが取れないルミナスが、必死の形相で、
ルミナス「ああ~、ひかるちゃん!くうう!」(脱出しようともがくが、抜けられない)
そのとき、忍者のような俊足で、砂浜を駆け抜け、ひかるを助けに向かったのが、キュアラピッド。
ラピッド「あぶなああ~い!」
そう叫びながら、最後はダイブするように、ひかるを抱いて、ムカツキーの砂弾をよけ、ゴロゴロと砂の上をしばらく転がって行った。
ルミナス、安堵の笑みを浮かべる。
ルミナス「あ・・」
転び終わると、ラピッド、両腕の中に抱きかかえたひかるに、
ラピッド「だいじょうぶ!?」
ひかる、瞑っていた目を開けると、泣きそうな顔で、
ひかる「うん・・」
ラピッド、笑みがこぼれる。ラピッド、ひかるの頭をかなり乱暴に撫でた後、険しい表情に変り、ムカツキーのほうを向くと、
ラピッド「よおお~し!」
と気合を入れ、何を思い立ったか、ムカツキーの周りを俊足でグルグル駆け回り出す。
ラピッド「ダアアアアアア!」
ムカツキー、それに目掛けて砂をブッブッと吹くが、あまりの速さのため命中せず、そのうち、自分の周りに砂の山が出来て、体半分以上が埋まり、身動きが取れなくなる。
ムカツキー「ムカツキ~」(もがき苦しむように)
リバーサス、苛立ちの顔で、
リバーサス「ええい、なにをやってる。間抜けなやつめっ!」
そのころやっと、ルミナスが、砂山からザッと脱出し、ラピッドの隣に走って来る。
ルミナスとラピッド、互いに「うん!」と頷き合って、手を繋ぐ。
ルミナス「光る時、かける(×)」
ラピッド「走る時、イコール(=)」
ルミナス&ラピッド「プリキュア・アストラル・トルネード!」
超音波のような渦巻状の閃光がルミナス&ラピッドの全身から発せられ、原爆のようにゆっくりと広がって行く。
アストラル・トルネードは、時の流れの重みを原動力にしている。
時の流れに逆らうナラクーダの者たちには、最も効果的な斥力を持つ。
ひかる、離れたところから、その閃光を、花火でも観るような感嘆の表情で見ている。
ひかる「わあ・・・」
リバーサス、砂に埋まって身動きの取れないムカツキーの前に飛んで来て、アストラル・トルネードを受け止めるも、耐え切れず、退散。
リバーサス「ううっ!お、重いっ!たあ!」
リバーサスの盾を失った背後のムカツキーに、トルネードが直撃。
ムカツキー、膨張し、爆発。
ムカツキー「ムカツキー!!」
砂が四散する。
オチツキーに分解。
オチツキー「オチツキ~ヤ、オチツキ~ヤ~!」
ひかる、振り子型になって、目前を通りずぎるそれらをしばらく不思議そうな顔で見ていたが、その滑稽な姿に、やがてキャッキャと喜び出した。
ひかる「あは、ははは」
周囲は元の状態に復元され、L&Rのふたりも元の姿に戻る。
ムカツキーの消えた後に砂時計が落ちていて、キラッと光る。
ひかるがトットコと走って行き、それを拾って戻って来て、
ひかる「はい。ゆとりおねえちゃん」
と、ゆとりに手渡す。
ゆとり、ひかるから初めて『ゆとりおねえちゃん』と呼ばれ、一瞬沈黙するが、やがてニッコリと笑顔に変って、
ゆとり「サンキュー。ひかるくん」(砂時計を受け取る)
夕暮れ。ひかる、砂浜で砂山を作って独り遊び。
その少し後ろにひかりとゆとりが並んで座って、夕暮れの海を眺めている。
ゆとり「広い水平線を眺めてたら、時間を忘れるね」
ひかり「そうですね。この海だけは何十億年も前から変ってないんですよね」
セインフとスワンフも飛び出して、
セインフ「そうだセイン。毎日毎日、何億回、何十億回も、朝にはまぶしい日の光がこの海を照らして、夕方にはあんなふうに真っ赤な夕焼けが海を染めて来たんだセイン」
スワンフ「わたしたち、あけぼのの従者セインフと、ゆうやけの従者スワンフは、ずっとそれを護っているのスワン」
セインフ「そして、時の主・シスター・シーズンは、この海に時の流れを注いで、たくさんの命を生み出して来たんだセイン」
ゆとり、真顔で、
ゆとり「ふ~ん、なんだかあなたたちってすごいことしてるんだね。一度、そのシスター・シーズンてひとにも会ってみたいな」
スワンフ、笑顔でゆとりを見上げて、
スワンフ「いつか必ず会える時が来るはずなのスワン」
ひかりも真顔で、
ひかり「いつかって、いつ?」
スワンフ、困り顔で
スワンフ「ん~それはわからないけど、(笑顔に戻って)その時をゆっくり待つのスワンッ!」
ゆとり、苦笑いを浮かべ、呆れたように、
ゆとり「ええ~? また時の流れに身を任せてってか?」
セインフは、素直に受け止め、笑顔で、
セインフ「ゆとりもわかって来たセイン」
ゆとり、変顔で自嘲気味に、
ゆとり「でも、アタシせっかちだからなー」
ひかり「だけど」
ゆとり「ん?」
ひかり「シスター・シーズンに会える時まで、みんなで一緒に進んで行けるんだし、そのことに感謝したいですね」(微笑んで)
ゆとり、ちょっと驚いたあと、ニッコリして、
ゆとり「そうだね。わたしたちが巡り会って、こうしてみんなで一緒の時を過ごしていられるのも、そのシスター・シーズンのお陰かもしれないんだよね」
ひかり「ええ」
ゆとり「はいっ」(砂時計をひかりに差し出す)
ひかり「え?」
ゆとり「これ、あげるよ」
ひかり「でも、それはゆとりさんの・・・」
ゆとり「そうだけど、これはひかりにこそふさわしいと思うの」
ひかり「わたしに・・・?」
ゆとり、砂時計をひっくり返して見せながら、
ゆとり「こうやってひっくり返せば時は動くけど、でも中身は変らないでしょ?毎日新しい朝は来るけど変らない光(ひかり)。あたしはこの先どんどん変って行ってしまうかもしれないけど・・・あなたは変らないでいてね。はい、生きた化石さんっ!」
ゆとりがポンとひかりの手の上に砂時計を置くと、ひかり、されるがままに、
ひかり「え?あ、ど、どうもありがとうございます」
ゆとり、再び水平線に視線を戻して、少し沈黙した後、
ゆとり「変るのと変らないのと、どっちがいいんだろうね」
ひかり、ゆとりの顔を見ながらそのセリフを聞き、やがて、ゆとり同様水平線に目を向け直して、
ひかり「さあ・・・どっちでしょうね」
ひかりとゆとり、またしばらく黙って海を見つめる。
ゆとりのおなかが<キュウ>と鳴る。
ゆとり「はは、アタシの体内時計はどんどん先に進んでるみたいだね」
ひかり「帰りましょうか?」(立ち上がろうとする)
ゆとり、笑みながらも、承服しない感じで、
ゆとり「う~ん、でも、もうちょっと、ここにいたい」
ひかり、中腰のまま微笑んで、
ひかり「じゃあ、もうちょっと」
ひかりも、座り直す。
ふたり、また海原に顔を向け、黙って水平線を望み見ていた。
タイムフルオルゴール!
12個のシーズニーラピスを、それぞれ決められたラピスホールに入れたら、
12曲のプリティーなメロディーが聴ける。
タイムフルオルゴール!
DATTE 待ってらんないじゃん!
ゆとり「生科部でチャーハン作ってるって聞いて来てみたのに、みんなで何してるの?」
ひかり「あ、ゆとりさん、百人一首でカルタしてるんです。ゆとりさんもどうですか?」
ゆとり「カルタもいいけど、チャーハンもね」
ひかり「じゃあ、どうぞ食べてください」
ゆとり「サンキュ!あたし食べる人、あなた作る人」
ひかり「そうですけど・・・」
ひかり&ゆとり「ふたりはプリキュア・ミルキーウェイ 第8話「百人一首」」
ひかり「ゆとりさん。百人一首を写真で撮ってどうするんですか?」
ゆとり「お正月を写そう♪ポン!」
ひかり「百人一首はお正月じゃなくてもしていいみたいですよ」
ゆとり「わかってる、わかってる。世間知らずのひかりをちょっとからかってみたの」
ひかり「え?わたし、からかわれてたんですか。。。?」
ゆとり「キャハハハ!・・・って、こんなこと知ってる中学生のほうが世間からずれてるか・・・」
またみてね!
著:ヒカルミの世界 / 絵:ヒカルミの世界・ラピー・shimizu_piecelot / 編:ライネス