・ 目次 / 第7話「海洋博物館」 (前のページ/次のページ) ・
館内。
ひかる、展示物にはしゃぐ。
ひかる「わあっ」
復元された18世紀頃の帆船を見上げる。
ジオラマを覗いて、讃岐沖の源平合戦の模様を紙芝居のように楽しんだり。
鯨(シロナガスクジラ)実物骨格。
ひかる、その歯の中に、頭を入れて中を覗こうとする。
ひかり、ひかるを注意しようとする。
ひかり「ひかるちゃん、触っちゃダメよ」
しかし、ひかる、やめずに、
ひかる「触ってないよ。中見てるだけだもん。お姉ちゃんも見てごらんよ。中すごいよ!」
ひかり、そう言ってひかるに腕を引っ張られるがまま、
ひかり「へ?」
と言って、そのまま一緒に中を覗いてしまう。
ひかり「本当だ。すご~い。洞窟みたい」
ゆとり、後ろで、鯨の口の中に頭を突っ込んでいるひかりとひかるを呆れながら見ている。
ゆとり「へえ、ひかりって、子供っぽいところもあるんだね」
ゆとり、そう言うと、急にニッカと笑って、
ゆとり「どれどれ、アタシも見てみよ!」
そう言って近づこうとすると、監視の警備員に呼び止められる。
警備員「これ、キミ、入っちゃだめ!」
ゆとり、不満顔で、警備員のほうへ向き直り、
ゆとり「え~、だって、あのふたりも~」
と言って、振り返ってみると、もうそこにひかりとひかるはいない。そして、すぐ向こうから、ひかるの声が、
ひかる「アンモナイトの化石だ~」
ひかり「すごいねえ」
すでにふたりは、別の展示物を見ていた。
ゆとり、ふて腐れて、
ゆとり「あ~ふたりだけずる~い!」
3人、シーラカンスや深海の軟体動物のハイビジョン立体イメージ映像のビデオなどを見て歩く。
女性アナウンサーの声で、
「海に生命が誕生したのは、今から約38億年前のことでした。月から分離したこの星の海は、月の影響で荒れて、海中に多くの酸素を溶かし込み・・・」
3人、通り過ぎて行くのに従い、アナウンスの声も聞こえなくなる。
次に、海獣型の恐竜の骨の模型(10mくらい)を前にして、
ひかる「わあ、カッコいい!」
ゆとりも、口をポカンと開けて、
ゆとり「はあ~ホントすごいなあ。こんなデカイのが海を泳いでたんだ?なんで今はいないの?」
ひかり、説明文を読みながら、
ひかり「えっと、気候が変って全滅したそうですよ。何億年も前の話だけど」
ゆとり「ふ~ん。そんな長い年月が経てば消えてもおかしくないよね。でも、また新しい種類の生き物が生まれて来たんでしょ?」
ひかり、なお読みながら、
ひかり「うん、鰭が足みたいになって陸に這い上がって来た魚が、爬虫類とか両生類になったんですって」
ゆとり「へえ、命って繋がってるんだね・・・」
ゆとり、そう言うと、向かい側の透明ケースに入ったちょっとグロテスクな三葉虫の化石を指差して、冗談めかした顔と声で、
ゆとり「案外、これなんかが、私たちの先祖だったりして」
ひかり、ゆとりの指差した方向にある三葉虫をジッと見た後、ニッコリと笑顔で、
ひかり「そうかもしれませんね~」
ゆとり、眉を顰め、
ゆとり「えっ!冗談で言ったつもりなんだけど・・・ひかりって、ときどきズレてるとこあるねえ(しょうがねえなというふうに顔をほころばせて)」
ひかりは、キョトン顔で、他人事このように、
ひかり「え、そうでしょうか?」
そのとき、ひかるが、かなり向こうから、ひかりを呼ぶ。
ひかる「お姉ちゃ~ん、こっちこっち~!」
ひかり、やって来る。
ひかり「どうしたの?」
ひかる「これ、生きてるの?」(水槽内のカブトガニを指差す)
カブトガニ、ちょっと動く。
ひかり、それを見て笑顔になり、
ひかり「そうみたいだね」
ひかる「カッコいい」
ひかり「カッコいいねえ」(笑顔)
ゆとり、ひかりをジッと見ている。
ゆとり<なんていうんだろう。この、周りのペースを気にしない不思議な雰囲気は。彼女の中だけ全然違う時間が流れてるような感じ。ずっと昔から変らずに、生まれたときのままの心を、自然に守って生きている・・・>
ひかり「生きた化石っていうらしいよ」(カブトガニの説明文を読んで、ひかるに教える)
ゆとり「そう!それっ。生きた化石!」
ゆとり、思わず叫んで、ひかりを指差す。
ひかり、意外顔で、
ひかり「え?ゆとりさん、知ってたんですか。カブトガニのこと」
ゆとり、思わず吐いた言葉の収拾に困って、誤魔化すように頭を掻きながら、
ゆとり「え?いや、ま、まあね、はは」
ひかり、ニッコリ笑顔で、素直に、
ひかり「すごいですね」
出入り口売店にて。
ひかりとひかるが品選び。
ひかる、或るものを指差して、ひかりのほうを見上げ、
ひかる「お姉ちゃん、これ買って」
ひかり「う~ん、じゃあひとつだけね」
ひかり、店員に、
ひかり「これ、ひとつください」
店員、紙に包んで、
店員「はい」
ひかり「ありがとうございます」
ひかり、すぐそれをひかるに笑顔で手渡す。
ひかり「はい」
ひかる、すぐに袋から出す。それは小さな魚の化石。
ひかる「わあ、お姉ちゃん、ありがとう!」
ひかり、微笑んで、
ひかり「どういたしまして。大切にしてね」
ひかる「うん!」
館外。
3人、砂浜を歩く。沖合いに船が見える。波打ち際には弁慶ガニがいて、海面で魚(たぶんボラかセイゴ)が跳ねる。
ゆとり、さっきの売店で買ったものの入った紙袋を持つ。その紙袋のアップ。
ゆとり、ひかりが何も手にしていないのに気づく。
ゆとり「ひかりは、自分のものを何も買わなかったの?」
ひかり、眉を下げて苦笑気味に、
ひかり「それが、弟に買ってあげたらお金がなくなっちゃって。ゆとりさんは何買ったんですか?」
ゆとり「へへ、これっ」(袋からガサゴソと出して見せる)
ひかり、嬉々として、
ひかり「わあ、可愛い。砂時計?」
ゆとり「うん。でもただの砂時計じゃないんだよ。深海から採って来た砂なんだって」
ひかり「へえ、じゃあ、大昔の砂が混ざってるかも。小さなタイムカプセルですね」
ゆとり「そう。この中には、すご~く長い時の流れが詰まってるかもしれないんだよね。わたしたちの知らない過去のいろんな出来事を、一粒一粒の砂たちが覚えてるの。そう思うとロマンチックでしょ」
ひかり、ニコニコして、
ひかり「ゆとりさん、詩人なんですね」
ゆとり、頭を撫でながら、
ゆとり「いやあ~。へへ」
そのとき、いきなりスワンフが叫ぶ。
スワンフ「まずいのスワン!!」
ゆとり、フテ腐れ顔で、懐のスワンフを見下ろし、
ゆとり「ちょっと、スワンフ~?どうしてアタシが詩人だとまずいのよ」
すると、今度はひかりの懐からセインフが顔を出し、
セインフ「そうじゃないんだセイン。ナラクーダの気配だセイン!」
ひかり&ゆとり、まさかといった意外顔を見合わせて、
ひかり&ゆとり「え?」
そのとき、矢庭にビューッと突風が吹き、ゆとりの手にしていた砂時計が吹き飛ばされる。
ゆとり「あ!砂時計が!」
宙に飛ばされた砂時計に、旋風が舞い込んで来て、たちまちムカツキーが憑依。
あっという間に砂時計ムカツキーとなる。
ムカツキー「ムカツキー!」
ひかり&ゆとり「ああっ!」
ひかる「わあ、おっきい」(怖がらず、好奇の眼差しで見上げる)
ひかりたちの背後に何かが降り立った音が。振り向くと、リバーサスが立っている。
ゆとり、呆れながら、怒って、
ゆとり「またあなたの仕業~?ほんとにもう~、アタシの砂時計をあんな化け物にしてえ。早く元に戻してっ!」
リバーサス「あいにくだが、ムカツキーは、時を刻むものになら何にでも取り憑いて、時の流れを破壊しようとするのでな」
そう言ってリバーサスが見上げると、ムカついた表情で身構えるムカツキーが映る。
リバーサス、またゆとりのほうを向いて、
リバーサス「あれがただの砂だったなら、こんなことにはならなかったのだ」
セインフ「ひかり、変身セイン」
スワンフ「ゆとりもなのスワン」
ゆとり「ひかり!」
ひかり「ええ」
ひかり&ゆとり「ツーショット・ハーモニック・レイディエーション!!」
*お互いのコミューンをお互いに向けて或るボタンを押す(ツーショット)。
すると、互いのコミューンから光線が放射され(レイディエーション)、ひかりの光線はゆとりに光の輝きのパワーを、ゆとりの光線はひかりに光の速さのパワーを互いに送り、それぞれに不足するパワー素を補い合い、「ふたりはプリキュア」へと、互いに互いを高め合う(ハーモニック)のである。
ルミナス、シャイニールミナス風に両手を広げ、髪の毛をたなびかせながら、
キュアルミナス「とわに煌めく光輝の使者・キュアルミナスッ!」
ラピッド、ホワイトのバンダナをたなびかせ、胸の前に両腕を交叉させ、両こぶしグーで、ボクシングのガードのようなポーズを取り、
キュアラピッド「とわに駆け巡る光速の使者・キュアラピッドお!」
ふたりともそれぞれそのままのポーズで、並んで映し出され(ルミナスが右、ラピッドが左)、
ルミナス&ラピッド「ふたりはプリキュア!」
さらにラピッド、一回転して、胸のところでグッとしていた腕を突き出し、ビンと指差す(夏京の贋プリキュアの指の突き出し方参照)
ラピッド「時の流れを捻じ曲げるあなたッ!」
ルミナスは、シャイニールミナスのように広げていた両の手を、交叉させるように胸に柔らかく宛がい、うつむき加減になって両目を一瞬聖母のように閉じたあと、碧眼の瞳をカッと見開いて正面に向き直り、毅然とした落ち着きのある、しかし優しい声音で、
ルミナス「素直な心にお戻りなさい!」
ひかる「お姉ちゃん!」(少し心配そうにルミナスに縋りつく)
ルミナス、中腰になって、ひかるの頭を撫でながら、
ルミナス「ひかるちゃん、そこで待ってて。動いちゃだめよ」
ひかる、安心の笑顔で、
ひかる「うん!」
ラピッド、ふたりのその光景を背後で、微笑ましげに見ていたが、ルミナスがひかるから離れ、毅然とした表情でムカツキーのほうへ向き直ったのに合わせ、自らも、戦闘準備の表情に変る。