■ 第5話「ショッピング」

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・第12幕

ひかりとゆとり、時計台のある噴水広場のベンチに腰掛けて、ジュースを飲んでいる。
ひかりは、一方の手でジュースを持ち、もう一方の手で、さきほど芸人から貰ったお手玉を持っている。
そのお手玉がアップで映された後、
ひかり「30年か」
ゆとり「え?」
ひかり「うん、30年ってどのくらいの時の長さなんだろうなって思って」
ゆとり「30年ねえ」(考え込むポーズ)
ひかり「私たちが生きて来た年月を、2回くらい繰り返すんですよね」
ゆとり「あ、そうだよねー」
ひかり「なんか想像できない」(しんみり)
ゆとり「それも、ずっと同じことを続けるんだよ。傘広げてお手玉載せてさ」
ひかり「私なんか、初めてたこ焼きを作ったとき、焦がしちゃって、自分には作れないんだって思って、すぐ諦めようとしたことがあるから、恥ずかしくなっちゃって」
ゆとり「へえ、ひかりでもそんなに焦ることがあるんだ?」
ひかり「ええ、もう初中終」
ゆとり「でも、いつも余裕たっぷりのマイペースに見えるけど」
ひかり「え、私が余裕?」(すごく意外そう)
そのとき、「ひかり!」という声が。奈緒の声。
奈緒と美羽が偶然現れる。
ひかり、意外顔で、
ひかり「奈緒、美羽!」
奈緒「ひかり、今日お店のお手伝いじゃなかったんだ」
美羽が、一瞬ひかりとゆとりを見比べて、
美羽「へえ、珍しいね。こんなところでゆとりとふたりきりなんて」
ゆとり、すごく気にするように、
ゆとり「なんで? 珍しいってどういう意味?」
美羽、笑みながら、
美羽「だってさ、ひかりとゆとりってそんなに仲良かった?」
ひかり&ゆとり「えっ?」
奈緒も笑みながら同調し、
奈緒「そうだよね。学校でふたりだけのとこなんて見たことないぞ。なのに、日曜日にこんな街中で一緒にお買い物?」(最後は探りを入れるような、好奇の眼差しで)
美羽、奈緒のほうへ向いて、同調するように、
美羽「普通よっぽど仲良くないとしないよね〜」
奈緒、笑みながら、ひかりとゆとりに同時に問いかける。
奈緒「いつからそんな親友になったの?」
しかし、ひかり、戸惑いの表情を浮かべ、逆に聞き返すように、
ひかり「親友・・?」
ゆとり「え?」(ひかりのその発言に敏感に反応し、隣のひかりを見る)
ひかり、しばらく黙っていたが、奈緒から返答がなく、むしろひかりの返答待ちの態度なのを知って、なにか答えないといけないような気になったらしく、
ひかり「親友っていうか・・・」(ひかり、そこまで言って口ごもる)
ゆとり、ひかりを無言でじっと見ている。
ゆとり「・・・」
ゆとり、ひかりからこれ以上言葉が出て来そうにないと判断するや、急に立ち上がり、決然とした表情になって口を挟む。
ゆとり「まだ親友じゃないよ!
ひかり、ゆとりを見上げて驚く。
ひかり「えっ!?」
ゆとり「私たちは、まだ親友なんかじゃないよ。ていうか、『親友』だなんて軽々しく言っちゃだめよ! 親友になるにはもっともっと時間がかかるの! 時間をかけるものなのよ!」
奈緒美羽、唖然となってゆとりを見ている。
奈緒&美羽「ああ・・・」
ここで、ひかり、手にしていたお手玉に視線を落とす。
ところどころに縫い目のある、手垢で薄汚れたお手玉のアップ。
そして、ひかりのもう一方の手がそれに覆いかぶさり、両手の平でギュッと握り締めた後、
ひかりのニッコリとした微笑みがアップで映り、
さらにひかり、穏やかな口調で、座ったまま、前方を見て、
ひかり「そう。ちょっと一緒に街を歩いたくらいですぐ親友だなんて言うのは、本当の親友じゃないと思う!」
なおみ〜う、ひかりを真顔で見つめて、
奈緒&美羽「うん、うん」(真理の開陳かすごい爆弾発言でも期待するように、固唾を呑んで)
前方の広場で仲よさそうに喋っている男女のカップル、手をつなぐ親子、携帯電話で笑いながら喋っている女子高生の映像を挿入(ひかりがその光景を見ながら喋っていることを示す演出)。
そして、ひかりの顔に戻って、
ひかり「でも、たとえまだ親友って言いきれなくっても、分かり合うために一瞬一瞬努力することは、大切・・・」
ひかり、なおみ〜うのバックの人々から、なおみ〜う自身に視線を切り替え、なおみ〜うからやたら注目の視線を浴びていることに気づくと、ハッとなって、恥ずかしそうに下を俯き加減になり、
ひかり「かも・・・(最後は、自信なげに)
奈緒&美羽「ああん?」(拍子抜けして)
しかし、ゆとりは、信頼の目でひかりを見下ろし、心の中で、
ゆとり<ひかり!>
そのとき背後の時計台の時計がピタッと止まる。と同時に、奈緒美羽や周囲の通行人が動かなくなる。
ひかり、手に握っていたお手玉をベンチの上に置くと、立ち上がり、奈緒の両肩を揺すって、
ひかり「奈緒!」
ゆとりも、美羽を揺すり
ゆとり「美羽、どうしたの!?」
セインフ、ひかりのポーチから顔を出す。
セインフ「ナラクーダの気配を感じるセイン」
スワンフもゆとりのポーチから。
スワンフ「すぐ近くなのスワン!」
ひかり&ゆとり「ええっ!?」

・第13幕

リバーサス、時計台の上に登場。
リバーサス「ふふふ。せっかくの休日に悪いな」
ひかり、見上げて、
ひかり「あ、あなたは・・・」
ゆとり「また何か用!?」
リバーサス「なに、たいした用はない。シスター・シーズンの居所を確かめたいだけだよ」
ひかり「シスター・シーズン?」
ゆとり「だから、そんな人は知らないって言ってるでしょう」
リバーサス「お前らが知らなくても、シスター・シーズンは、お前らをよく知っているみたいだぞ」
ひかり「え? どういうことですか?」
リバーサス「答えが知りたければ、変身しろ」
ひかり「ゆとりさん!」
ゆとり「うん」(変身体勢に入る)

ひかり&ゆとり「ツーショット・ハーモニック・レイディエーション!!
* お互いのコミューンをお互いに向けて或るボタンを押す(ツーショット)。
すると、互いのコミューンから光線が発射され(レイディエーション)、ひかりの光線はゆとりに光の輝きのパワーを、ゆとりの光線はひかりに光の速さのパワーを互いに送り、それぞれに不足するパワー素を補い合い、「ふたりはプリキュア」へと、互いを互いに高め合う(ハーモニック)のである。
ルミナス、シャイニールミナス風に両手を広げ、髪の毛をたなびかせながら、
キュアルミナス「とわに煌めく光輝の使者・キュアルミナスッ!
ラピッド、ホワイトのバンダナをたなびかせ、胸の前に両腕を交叉させ、両こぶしグーで、ボクシングのガードのようなポーズを取り、
キュアラピッド「とわに駆け巡る光速の使者・キュアラピッドお!
ふたりともそれぞれそのままのポーズで、並んで映し出され(ルミナスが右、ラピッドが左)、
ルミナス&ラピッド「ふたりはプリキュア!
さらにラピッド、一回転して、胸のところでグッとしてた腕を突き出し、ビンと指差す(夏京の贋プリキュアの指の突き出し方参照)
ラピッド「時の流れを捻じ曲げるあなたッ!
ルミナスは、シャイニールミナスのように広げていた両の手を、交叉させるように胸に柔らかく宛がい、うつむき加減になって両目を一瞬聖母のように閉じたあと、碧眼の瞳をカッと見開いて正面を向き直り、毅然とした落ち着きのある、しかし優しい声音で、
ルミナス「素直な心にお戻りなさい!
そのとき上空に、またミルキーウェイシップが航行。
ルミナス&ラピッド「あっ!」
それを見たセインフ・スワンフが、互いを見合って、
セインフ「スワンフ!」
スワンフ「セインフ!」
すると、二人がそれぞれ光輝き出す。セインフは真っ赤なあけぼの色に、スワンフはゆうやけ色に。そして叫ぶ。
セインフ&スワンフ「いざ行かん、ミルキーウェイシップへ!
そう叫ぶと、それぞれの翼がググッと伸び広がり出す。
そして、セインフとスワンフは、羽ばたき、上空へ舞い上がって行く。
しばらく上空を旋回した後、今度は隼のようなスピードで急降下して来て、ルミナスとラピッドの足を掬い払うようにして、体をふわりと浮かせる。
ルミナス「あっ!」
ラピッド「あっ!」
ふたりが尻から落ちたところをセインフとスワンフは余裕顔で背中に乗せ、そのまま、ミルキーウェイシップのほうへトランスポートして行った。
それを無表情で見ていたリバーサスは、
リバーサス「やはり、シスター・シーズンはあいつらのそばにいたな」
と呟いて、飛び立ち、プリキュアたちの後を追って行ったのである。

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