・ 目次 / 第4話「バスケ初陣」 (前のページ/次のページ) ・
ラピッド「あんなやつ、アタシ一人で倒してみせる」
ルミナス「でも、ラピッド・・・」
ラピッド「あいつは、アタシの大事な試合を邪魔したのよ。ルミナスには関係ない。たああ!」
ルミナス「ああ、ラピッド!!」(制止しようにも、言うことを聞いてもらえず)
再び、ラピッドとリバーサスの格闘が始まるも、ラピッド疲れていて、劣勢。
リバーサス「があ!」
リバーサス、両こぶしを握り合わせ、ズドンと気を撃つように突き出す。
ラピッド、両腕でガードを固める。
ラピッド「キャアアア!」
しかし、結局弾き飛ばされる。
ルミナス「ラピッド!!」
ラピッドは、体育館の壁に全身を打ちつけ、倒れ込むと、もはや立ち上がれない。
リバーサス「ふん、次はお前の番だ」
そう言われたたルミナス、
ルミナス「ああ・・・」
リバーサスを凝視すると、ラピッドの仇を討つべくギュッと握りこぶしを固め、戦う構えで突進し、リバーサスに積極果敢に攻撃を仕掛ける、
ルミナス「ンンンンー!」
・・・かに見せて、ヒラリと横に逸れ、フェイント。
リバーサス「なにっ!?」
リバーサス、馬鹿にされたと思い、向きになって
リバーサス「んぬっ! こしゃくな! くわっ!」(左右の連続パンチを繰り出す)
ルミナス、華麗に飛んで、跳ねて、長い髪をなびかせ、すべて文字通り間一髪でよけきる。
さらに、接近戦を挑むリバーサスのパンチを、
ルミナス「はっ!はっ!はっ!」
ステップバックしながら、手で払いのける(リバーサスのこぶしを、まるでボールのように弾きながら〔バスケのドリブルなどを連想させるような動き〕。
そのころ、壁際に倒れ込んでいたラピッド、やっと半身だけ起こすと、荒い息をつきながら、向こうで展開されるルミナスのよけの一手の戦いを見つめている。
ラピッド<ルミナス・・・どうしてもっと前に出て攻めないの!?>
そのうち、リバーサスが疲れ始める。ルミナスとリバーサス、いったん戦いをやめ、激しく息をしながら対峙。
ラピッドのポーチからスワンフ顔を出し、
スワンフ「ラピッド、ルミナスは、ラピッドの体力が回復して一緒に戦えるようになるまで時間を稼いでくれてると思うのスワン」
ラピッド「え?」
スワンフ「プリキュアのパワーの源は、ルミナスの光の輝きとラピッドの光の速さを掛け合わせた時の流れなのスワン。ふたりで力を合わせないとベストの力は出せないのスワン」
スワンフがそう説明しているあいだにも、再びルミナスとリバーサスの戦いが始まる。
リバーサスもへとへとだが、ルミナスにもちょっと疲れが見え始める。
スワンフ「ラピッド、ルミナスもひとりだけじゃこれが限界なのスワン」
ラピッド「え?」
スワンフ「このままではふたりともやられてしまうのスワン」
ラピッド「そ、そんな・・・」(目を潤ませながら、ルミナスの悲壮な戦いを見つめる)
ルミナス「はっ、はっ、はっ!」
スワンフ「早くルミナスのもとへ行って、一緒に必殺技を打ち込むのスワン!」
ラピッド「ルミナス・・・そうか、これなんだ。前に出て攻めるだけが攻撃じゃないんだ」
ルミナスの戦いを映しながら、
ラピッド「受け身でも相手を弱らせることが出来る。たとえ完全には倒せなくても。ルミナスは、わたしと一緒に戦うのを待つよりも前に、まず、それを私に教えてくれてるのかも・・・」
ルミナス「はあ!はあ!」(汗を滲ませながら、柔軟な体で攻撃をよける)
リバーサス「でやあ! むう!」(かなりフラフラしながら。腰の入っていない力任せのパンチ)
ラピッド「今、これに私の攻撃が加われば。そう、わたしたちふたりの力が合わされば、何倍ものパワーを出せる。そして絶対に勝てる! よ〜し!」
体力の回復したラピッド、スックと立ち上がると、目にも止まらぬ俊足で、リバーサスに突進する。
ラピッド「ンンンンンー!」
リバーサス「むっ!?」
リバーサスが気づいたときには、ラピッドの左腕がもう目の前でブンッと唸っており、リバーサス、遠心力の効いたラリアットで強烈に弾き飛ばされる。
リバーサス「グォアアアアア!」(向こうへ吹っ飛ぶ)
ラリアットを打ち終わって、中腰で立つラピッドを傍らで見ていたルミナスが、
ルミナス「ラピッド! もう大丈夫なの?」
ラピッド、ルミナスを見て、申し訳なさそうに苦笑いして、
ラピッド「うん、ルミナス、ゴメンね」
ルミナス「え?」(わかっていない感じ)
ラピッド、微笑んで、
ラピッド「ううん、さあっ!」
ラピッド、今度は自分から積極的に手の平を差し出す。
ルミナス、一瞬キョトン顔の後、何かを察したように微笑み、凛々しく手を繋ぐ。
ルミナス「はい!」
ルミナス「光る時、かける(×)」
ラピッド「走る時、イコール(=)」
ルミナス&ラピッド「プリキュア・アストラル・トルネード!!」
超音波のような渦巻状の閃光がルミナス&ラピッドの全身から発せられ、原爆のようにゆっくりと広がって行く。
アストラル・トルネードは、時の流れの重みを原動力にしている。
時の流れに逆らうナラクーダの者たちには、最も効果的な斥力を持つ。
リバーサス「ウワオオオ! こ、これが・・・時の流れの重み・・・なのかっ、くう!」
リバーサス、踏ん張りきれず、撤退する。
体育館内。
壁の時計の針が順調に進み出す。
すでに時間の流れは回復し、第4クオーターの笛が鳴る。
文武ヶ丘のスローイン。
それをゆとりがカット。
しかしゆとりが前へ出ようとすると、またしても岡野主将がタイトなディフェンス。
ゆとり、ドリブルで応戦。
そのとき、斜め前から三島由紀子先輩がゆとりに声をかける。
三島「ゆとり!」
奈緒「ゆとり! 三島先輩にパス!」
ゆとり、ドリブルを続ける。
そのとき客席から、ひかりの声が、
ひかり「ゆとりさん!」
ゆとり、ドリブルしながら、ハッとなる。
ゆとり「えっ!?」
ひかり「みんなを信じてええっ!」
横の美羽は、ひかりが珍しく声を張り上げているのを見て、驚きの表情。
美羽「ひかり!?」
ゆとり、ひかりの声を聞いて、ドキッとなり、さっきのリバーサスとの戦い中の、ルミナスの必死の身のかわし、そしてふたり手を繋いでのプリキュア・アストラル・トルネード炸裂のシーンを思い出す。
ゆとり「あ・・・」
我に返ったゆとり、それでも一瞬また前に進む・・・ようなフェイントをかけた後、ボールを三島先輩にフワッとパス(スローモーション)。
三島「ナイスパスッ!」(胸正面でゲットし、爽やかな笑顔でゆとりに応える)
さらに、三島先輩、奈緒がいい位置にいるのに気づいてパスをつなぐ。
三島「奈緒!」
奈緒、うまくゲット。
奈緒「よっし!」
奈緒、ドリブルでリング下に近づき、一度通り過ぎると、
奈緒「たああ!」
体を思い切り逆エビ状に反らして、器用なバックシュートを決める。
ギャラリーのひかり・美羽、喜ぶ。
美羽「これが本来の奈緒よっ!」
一方、ひかりは、奈緒の後方に立つゆとりを見遣って、微笑み、
ひかり<ゆとりさん・・・>(満足そうに)
その後も、ゆとり、パッシングに努め、シュートを打つのは専ら奈緒と三島先輩ばかり。
他方、文武ヶ丘もそこそこシュートを決めて、50対50のタイスコアで、残り時間あとわずか。
三島先輩が、文武ヶ丘主将・岡野の突進するようなドリブルを、
岡野「ダアアアア!」(猪突猛進ドリブル)
三島「ンッ!」
インターセプトしてカット。
岡野「しまった!」(ボールを奪取され)
三島先輩、奈緒にパススルー。
三島「奈緒!」
奈緒「はいっ!」(パシッとゲット)
パスを受けた奈緒、相手の激しいディフェンスに遭い、立ち往生。
奈緒「うっ」
しかし、敵の背後にゆとりの姿を発見。
奈緒<あ、ゆとりだ!>
奈緒「ゆとりいいい〜!」(ダウンパス〔バウンドパス〕。
ゆとり「オッケー!」(ゲット)
ゆとりは、リングから3m近く離れたところにいるが、時間がもうない。
奈緒「ゆとり、シュートおお!」
ゆとりも、奈緒に言われるまでもなく、そこからジャンピングシュート。
ゆとり「たああ!」(ジャンプ)
ゆとり、ストンとキレイにシュートを決める。
ゆとり「よ〜しっ!」(ゆとり、着地しながらMBL風の、腕を前に突き出すガッツポーズ)
その瞬間、ピーッと試合終了の笛。
ベローネの選手たち「やった!」
ギャラリー「勝ったー!」
美羽、ひかりに抱きついて喜ぶ。
美羽「やったー!!」
美羽に抱きつかれ、ひかりは多少困惑顔ながら、静かに喜びの表情を浮かべ、コート内で奈緒とハイタッチして喜び合っているゆとりを、温かい目で見遣っている。
コート内。
奈緒「今日の殊勲は断然ゆとりだよ。シュートボンボン打ちまくったし、決勝点も入れるし」
ゆとり「ううん、奈緒や三島先輩のパスが正確だったから、いいシュートが打てたんだよ。バスケはチームワークだもん!」
ゆとり、そのセリフを口にすると、はっと気がついて、
ゆとり<あ、そうだ。一番にひかりにお礼を言わなくちゃ>
ゆとり、ギャラリーのひかりのいたはずの場所へと走る。
美羽を発見。だが、隣にひかりはいない。
あたりを見回しながら、
ゆとり「あれ、ひかりは?」
美羽「ああ、今急いで帰っちゃった。お店のお手伝いがあるんだって」
ゆとり、拍子抜けしたように、
ゆとり「そうなんだ・・・」
ゆとり<なんでー? ここまで観てたなら、最後までいてくれてもよかったのに・・・ひかり、アタシのこと、あんまり関心ないのかなあ・・>
奈緒がコートから、
奈緒「ゆとり〜、試合後の挨拶、まだ終わってないよー!」
ゆとり「あ、うん! 今行く!」
ゆとり、ひかりのことを気にして、後ろ髪引かれる思いで、両チームの整列するコートへとゆっくり走って戻って行く。
デラタコカフェ。
ひかり、お客さんに注文の品を運ぶ。
ひかり「お待たせしましたあああ〜。ごゆっくりどうぞおおお〜」(元気のいい張りのある声で)
ビーグル内でたこ焼きを焼くアカネさんにも、その声が響いて来る。
アカネ「お、お??」(一瞬ピックを止めて)
ひかり、ビーグル内に戻って来る。
アカネ「ひかりい、どうしたの? なんか今日は元気いいねえ」
ひかり「はい!すごくいいことがあったんです」
ひかり、太陽のようなニッコリ笑顔アップでフェードアウト。
タイムフルオルゴール〜!
今なら12色のシーズニーラピス付き。
DATTE 待ってらんないじゃん!
ゆとり「ルルルン♪」
ひかり「ゆとりさん、帽子選び楽しそうですね」
ゆとり「あっ、このキャスケット、いいかも〜!」
ひかり「可愛いですね。ゆとりさんにはよく似あ・・・あっ?」
ゆとり「はい、ひかり」
ひかり「え、わたし・・・?」
ひかり&ゆとり「ふたりはプリキュア・ミルキーウェイ。第5話「ショッピング」」
ゆとり「ひかり、最高に可愛いよ〜」
ひかり「そ、そうでしょうか。でも、わたしが帽子を被っても意味ないかも・・・」
ゆとり「えっ、どして?」
ひかり「だって、変身したときのわたしの髪型・・・」
ゆとり「あー、あれかあ! あれはねえ・・・」
ひかり「え? あれってそんなに変ですか?」
ゆとり「ん? いやいや可愛いんだけどさ」
ひかり「ふう。ビックリしました」
またみてね!
著:ヒカルミの世界 / 絵:ヒカルミの世界・ラピー・shimizu_piecelot / 編:ライネス