・ 目次 / 第1話「出会い」 (前のページ/次のページ) ・
宇宙空間。銀河星雲のような渦巻き。カメラはその中にスウッと突入。
中では、光の粒粒の帯が天の川のようにゆっくり、大きく流れている。
その流れの先(下流)を辿って行くと、光の帯はどんどん狭まり、
やがてカメラはすごいスピードで地球に突進ズームイン。
さらにマッハの速さで突き進み、ピンポイントで日本、関東、街(若葉台)の航空写真的映像。
最後はピンポイントで公園のデラタコカフェ・カフェテリアにズドンという感じでフォーカス視線着地。
そこからゆったりした日常シーンに切り替わる。
新調されたビーグルの車体。
新しい色(緑と白)のテーブル席パラソル。
カフェテリア、親子連れの客など。
ひかり「お待たせしました」(マンゴープリンとナタデココミルクをお盆に載せて)
奈緒「これがナタデココミルク? 美味しそうジャンジャン!」
美羽「超デラックスって感じ~」
ひかり「ふふ。どうぞごゆっくり」
再びカメラ、公園上空、街上空、関東上空、日本上空、地球上空へと離れて、光の粒のゆったりした流れに吸い込まれて行く。
(光の流れとひかり本人が、何億光年もの隔たりを挟んで直接つながっているイメージを出す)
アバンの公園のデラタコカフェ風景の続き。
奈緒美羽の座る席。プリンやミルクを口にする。
まだひかりもそばに立って立ち話。そこへ背後から、
アカネ「へい、お待ち。」(たこ焼き二皿を運んで来る)
奈緒「たこ焼きもちゃんとデラックスになって健在ですね。アカネさん」
アカネ「もちろん。たこ焼きはタコカフェの基本だからね」
美羽「でも、名前もデラタコカフェになって、ぱっと見、フルーツパーラーですよね」
アカネ「毎年何か新しいことしないとお客さんに飽きられちゃうんだよ。商売はたいへんだよ~」
美羽「へえ。ひかりはえらいよね」(ひかりのほうへ向き直って)
ひかり「え?」(キョトン顔)
美羽「まだ中学二年になったばっかりなのに、そんな大人の世界の厳しさとか、わたしたちよりずっとよく知ってるでしょ」
奈緒「(腕組みして考え込むように)そうだよねー。それでいて学校の成績もいいしさあ。爪の垢でも煎じて・・・」
奈緒、たこ焼きを頬張って、ちょっと喉につっかえた後、飲み込んでから、
奈緒「ん、食べちゃいたいよ」
美羽「な~お、それを言うなら、煎じて飲む、でしょ」
奈緒「あはは、そうだっけか」
ひかり「ふふ。でも、奈緒はバスケ部でもう今年からレギュラーでしょ?わたしなんかよりずっとすごいよ」
奈緒「だってアタシ、それしか取り柄ないし」
ひかり「ううん、そんなことない。それに美羽は、えっと・・・」
美羽「生活科学部」
ひかり「そう、今年から新しく出来た生活科学部でもう部長してるじゃない」
美羽「3年生がいないからだよ。それにまだわたしを入れて部員4人だよ」
ひかり「・・・」(無言で聞いている表情映る)
美羽「しかも、そのうちの一人は、バスケ部と掛け持ち幽霊部員の奈緒だしい」
奈緒「生科部って何するのかなって美羽に聞いたら、お料理とか編み物とかパッチワークとか、家庭科みたいなことだっていうし、たま~になら参加してもいいかなって思ってさ。アタシだって将来いいお嫁さんになりたいもん」(片手はフルーツの刺さったフォークを持ち、もう片方の手を頬に当てて、ちょっと可愛い子ぶる)
美羽「でも、まだ1回も来たことないくせに」
奈緒「バスケ部忙しいんだから、しょうがないじゃん」
美羽「だけど、部員最低5人いないと正式な部にしてもらえないんだよね」
アカネ「なんかまずいの?」
美羽、アカネさんのほうへ向いて、少し顔を上げ、
美羽「はい。正式に認められないと、部費も出ないし仮部室しか持てないし」
アカネ「あ、そうか」(自分の中学時代を思い出したように)
美羽「あと一人ほしいんだけど、ひかり、誰かいない?」(ひかりのほうを向いて、困り顔)
ひかり「うん。・・・あの、生科部ってお料理も作ったりするって言ってたよね」
美羽「うん、そうだけど」(無表情に)
ひかり「なんか楽しそう」(にっこり)
アカネさん、右手拳固で左手の平の上を杵で餅搗くようにパチッと叩いて、
アカネ「そうだ、ひかり、アンタ入りなよ」(嬉々として)
ひかり「え、でもお店・・・」(困り顔)
アカネ「お店は週末とか時間あるときでいいよ。」(グイグイおしまくり)
ひかり「はあ・・・」(アカネペースに乗せられ、呆気に取られるように)
アカネ「それに、あんたが料理覚えてくれたらデラタコカフェにとっても一石二鳥だしさ」
ひかり「・・・」(もはや成り行き任せ)
美羽「アカネさん、ひかり借りちゃっていいんですか?」(目が輝く)
アカネ「ああ、どうぞ。ひかりは生科部に預けます」(ひかりの両肩を背後から押して、美羽のほうへ寄せる感じ)
ひかり「え・・・」(アカネさんに肩を押され、少し後ろへ振り向き加減に)
美羽「やったね」(ツインが揺れる喜び様)
奈緒「うん、ひかりには向いてるよ、生科部」(笑顔で大きく頷いて)
ひかり「はあ・・・」